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春の高校バレー県予選展望 女子(3)大分西 フレッシュ大会優勝を糧に4強へ突き進む 【大分県】

春の高校バレー県予選展望 女子(3)大分西 フレッシュ大会優勝を糧に4強へ突き進む 【大分県】

 高校バレーの最高峰・春の高校バレー。その出場権を懸けた県予選が10月25日に開幕する。女子は26年連続41回目の全国切符を狙う“絶対王者”東九州龍谷が、依然として優勝候補の最右翼だ。対抗馬の大分商業をはじめ、他校も頂点を射程にとらえている。熾烈(しれつ)な戦いを制して全国の舞台への扉を開くのはどのチームか。熱戦の幕開けを前に、その行方を占う。

 6月の県高校総体が終わり、3年生が引退。2年生8人、1年生10人という顔ぶれで新チームがスタートした大分西。代替り後に迎えたのが、8月末の県高校フレッシュバレーボール優勝大会だった。ここでチームは優勝を果たす。とはいえ、安部由希監督は「出場できないチームがあったり、いろいろと事情もあった。これからが本当の勝負」と冷静に見ている。それでも選手たちにとっては、自信を得る大きな一歩となったのは間違いない。

 大会を通して浮かび上がったのは、“気持ちの強さ”である。「バレーボールはメンタルのスポーツだ」と語る安部監督は、「相手がどうであれ、力を出し切る気持ちの強さが今のチームにはある」と評する。その象徴がエースの土谷友鈴奈(ゆりな、2年)だ。身長168㌢、パワーだけでなく技術にも秀でる万能型。昨年からコートに立ってきた経験が自覚を芽生えさせ、勝負どころでは自然に仲間がトスを託す。ブロックアウトを得意とし、高さのある相手にも冷静にコースを突ける。土谷は「優勝は自信になった。集中してプレーできた。これからはコンビネーションを増やし、強い気持ちで攻めたい」と力強く語る。エースを背負う責任感は、確実にプレーへとつながっている。

エースとして期待される土屋

 もう一人の軸が、キャプテンの中村奏星(かなせ、2年)だ。粘り強い守備でチームを支え、厳しい場面でも冷静にボールを拾う。「強いスパイクを拾って攻撃につなげたい。自分が攻撃の起点、軸になる」と、リベロとしての誇りと責任を胸に刻む。仲間からの信頼も厚く、試合中に声を張り上げてチームをまとめる姿は頼もしい。本人が「このチームは全員が仲良く、試合中も盛り上がる」と語るように、雰囲気の良さも新チームの大きな武器だ。

 夏休みにはサーブレシーブなど守備面を徹底的に鍛えた。スパイクに至るまでの土台づくりを積み重ね、基盤は固まりつつある。今年のチームは平均身長も高く、攻守に可能性を秘めている。安部監督は「今後は連続失点を減らし、相手に流れを渡さないことが課題」と口にする。若さゆえの調子の波をいかに抑え、試合を通じて安定感を示せるかが勝敗を分ける。

 今大会は4強入りを目指す。フレッシュ大会で得た自信を力に変え、エースの攻撃力とキャプテンの守備力を軸に、伸び盛りのチームは挑戦を続ける。

今大会はベスト4入りを目指す

(柚野真也)