
【指導者の肖像〜高校スポーツを支える魂〜】 信じる力が未来を変えていく 柳ケ浦高校バスケットボール部監督・中村誠(前編)
バスケ
全国高校バスケットボール選手権大会(ウインターカップ) 県2次予選が24日から始まる。1次予選から勝ち上がった4校がシード4校に挑み、その勝者が準々決勝から出場するスーパーシード4校と激突する。男子の第2回は優勝候補筆頭であり、3連覇を目指す別府溝部学園。
ウインターカップ3年連続出場をかけて、さらなるレベルアップを図っている別府溝部学園。7月の県高校総体では危なげなく勝ち上がり、王者の貫禄を見せつけて優勝した。インターハイの中止はすでに決定されていたが、モチベーションを下げることなくバスケットボールと向き合った証拠と言えるだろう。また、数ある大会の中でもウインターカップに最も重きを置いているからこそ、目標を見失わなかった。3年生はひとりも欠けることなく、最後の大会に挑む。
中心となるのは、圧倒的な突破力を誇る島袋琉希(3年)と、高さで他を寄せ付けないフセイン(3年)となりそうだが、2年生の安定感が増し、選手層は厚く、選手交代による不安はない。個々の技術が高いのは周知のことだが、勝ち続けている理由の一つが「意識」にある。末宗直柔監督は「チャンスはどのチームにも平等にある。生かせるか、生かせないかは日頃からどれだけ高い意識でバスケに取り組めているか」と話す。
日頃から高い意識で練習に取り組む選手たち
今年は新型コロナウイルスの影響で練習試合すらできない状態が続き、自分たちの力を図る場が少なかった。だからこそ、普段の練習をウインターカップ本戦会場のつもりで全力を出し切ること、競技以外の時間も細部への意識を持って行動することを、末宗監督は常に選手たちに投げかけている。そこには「思いやりのあるバスケをしてほしい」という思いも重ねているという。「全国で勝つにはイージーミスが多すぎる。パスもアシストも、お互いを思いやる気持ちがあれば自然とミスは減る」とその狙いを話す末宗監督。
個々が高い技術を持っているからこそ、思いやりのあるバスケを最大限に発揮するために、仲間を信頼し、お互いを生かす。日々の意識付けがチームワークづくりに不可欠だ。「毎年危機感を持っている。いつもチャレンジャーのつもり」(末宗監督)。3年間チャンピオンの地位を守り続けているにもかかわらず、末宗監督や選手に全くおごりはない。これまで以上に「意識」を高めた彼らが、どんな戦いを見せてくれるか楽しみだ。
今大会もチャレンジャーとして挑む
(黒木ゆか)
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