
全国高校サッカー選手権県予選 組み合わせ決定 シード4校のキャプテンに意気込みを聞いた 【大分県】
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約1カ月の中断を経て迎えたJFL首位・滋賀との大一番。ヴェルスパ大分は押し込みながらも決め切れず、0ー1で惜敗した。勝ち点差は4に開き、順位も3位へと後退。しかし、残り11試合で巻き返しは十分に可能だ。悲願のJ3昇格へ、チームは再び前を向いている。
立ち上がり、ヴェルスパは積極的に前に出て主導権を握った。ロングスローやCKからゴールに迫る場面もあったが、最後の一線を越えることはできない。逆に一瞬の隙を突かれて失点。中村元監督は「試合の入り自体は悪くなかった。ただ決めきれずに、一瞬の隙を突かれたのが悔しい」と振り返る。これまで安定していた守備に生じたほころびが、勝負を分けた。
攻撃面でも課題は残った。中断期間に取り組んだのは、まさに「決め切る力」の強化だった。「フィニッシュの精度を上げることに力を入れたが、結果にはつながらなかった」と中村監督は率直に語る。それでも、後半は交代策で流れを引き寄せた。FW金崎夢生を投入すると、立ち位置の変化から攻撃に怖さが加わり、シュート数は一気に増加。ポスト直撃の惜しい場面もあった。だが最後までゴールネットを揺らせず、勝負の残酷さだけが突き付けられた。
そんな中で存在感を示したのが、本職のボランチではなくトップ下で起用された瓜生昂勢だ。攻守に顔を出し、チャンスメークに奔走した。本人は「失点の場面がすべて。(守備ラインが)引いたところ突かれた」と悔しさを口にする一方で、セカンドボール回収への意識改革を成果と語る。「意識を変えるだけで(セカンドボールを)拾える数は全然違う。立ち位置も考え方も変わる」。中盤での存在感はチームに安定をもたらした。
トップ下という新たな役割については「前で絡む方が楽しい。チャンスメークが自分の持ち味」と笑みを見せる。前半は相手にボールを握られる時間が多かったが、後半は落ち着いた展開の中で持ち味を発揮。「前線の選手にロングボールでなく短いパスをスパッと入れると良さを出せる。トップ下はやりがいを感じるポジション」と手応えを口にした。
痛恨の黒星は、確かに重い。しかし、監督も選手も敗戦を糧に変える姿勢を崩していない。中村監督は「ゴール前までは行けている。前向きに捉えながらも、最後に決め切る選手が必要」と語る。瓜生は「落ち込む暇はない。他が取りこぼした時に自分たちが勝つことが大事」と前を見据える。残り11試合、ヴェルスパの戦いはまだ終わらない。
(柚野真也)
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