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春の高校バレー県予選展望 男子(1)鶴崎工業 課題を力に変えて見据える頂点 【大分県】

春の高校バレー県予選展望 男子(1)鶴崎工業 課題を力に変えて見据える頂点 【大分県】

 6月の県高校総体を経て、チームが次々と動き出した。迎えるのは春の高校バレー県予選。男子は大分南、大分工業の2強が有力だが、虎視眈々(たんたん)と他校も王座を狙う。高さか、粘りか、あるいは総合力か―。大会を制し、全国への扉を開くのはどのチームか。熱戦の幕開けを前に、その行方を展望する。

 6月の県高校総体を終え、3年生が引退した鶴崎工業は、新チームとして再スタートを切った。2度目の公式戦となったのは、8月30、31日に開催された県高校フレッシュバレーボール優勝大会。結果は準優勝に終わったが、選手たちが得た収穫と課題は、今後の強化に向けて大きな糧となるものだった。

 宮崎一平監督は「優勝を狙っていたが、練習不足を痛感した」と率直に語る。とりわけ課題となったのがサーブだ。本来なら流れを呼び込む武器にしたいところでミスが目立ち、得点源にはならなかった。さらにキャプテンの大鳴輝紀(2年)は「サーブキャッチがセッターに返らず、攻撃の幅を出せなかった」と振り返る。サーブで主導権を握れず、サーブキャッチでも苦しんだ。

 その一方で、夏の強化の成果も確かに表れていた。チームは今季から筋力トレーニングを強化し、外部トレーナーの指導も取り入れている。監督は「4月から比べてスパイクもサーブもパンチ力がついた」と手応えを口にする。大鳴も「力強さは増した」と胸を張り、攻撃の迫力は確実に増している。

筋力強化でパンチ力がアップした

 ただ、鶴崎工業の新チームは1、2年生だけで構成されており、経験値ではどうしても他校に劣る。平均身長も低いため、高さで押すのではなく、拾ってつなぐ粘り強さが求められる。大鳴は「レシーブ面を強化して、高さの差を埋めたい」と語り、泥臭くも粘り強いスタイルを武器にしようとしている。

 期待を集めるのは、大鳴とともにチームの二枚看板を担う浜岡凌雅(2年)だ。高さとパワーを兼ね備え、攻守の速い切り返しも速い万能型のミドルブロッカー。宮崎監督は「伸びしろが大きく、いろんな可能性を秘めている」と評価し、中央を基点とした多彩な攻撃の軸に据える構えだ。

 春の高校バレー県予選まであと1カ月半。「ベスト4は必ず入りたい。その先にある大きな壁をどう乗り越えるかが勝負」と宮崎監督。県内には大分南、大分工業という2強が立ちはだかるが、ジャンプ力や俊敏性に優れた選手がそろう新チームには、さらに進化できる余地を多く残している。大鳴も「このメンバーなら、もっとやれる」と力強く言い切る。

 準優勝という結果は悔しさを残したが、チームは確実に進化している。サーブとサーブキャッチの二つの課題を克服できれば、春の高校バレー県予選で2強と対等に戦える可能性は十分にある。

能力の高い選手がそろい伸びしろは十分

(柚野真也)