
県ビーチバレーボール選手権 異校の親友ペアが頂点に立つ 【大分県】
バレー
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1、2年生を対象とした県高校フレッシュバレーボール優勝大会が8月30、31の両日、開催された。男子は大分工業グリーン、女子は大分西がそれぞれ頂点に立った。
実戦経験の少ない下級生にとって、いまの自分を試し、課題を明確にする貴重な舞台である。女子の大分西は3年生が総体で引退し、新チームとなって迎えた大会で、夏休みの成果を形にした。男子の大分工業は、2チーム編成での参戦。緑のジャージーをまとった大分工業グリーンが見事に優勝を飾った。江崎裕之監督は「県外でも通用するレベルを目指すこと。それが夏の課題だった」と語る。自身がチームに関われない期間もあり、選手たちには「自由に考え、自分たちでつくり上げる力」を養わせた。監督不在の時間を、下級生にとっての学びの場へと変えたのである。
大会を振り返り、キャプテンを務めた小名川暁誠(2年)は「3年生がいないチームで戦うのは新鮮で楽しかった。下級生でもここまでやれるんだというところを示せた」と振り返る。いつもはぎこちなさが残る下級生同士の連係も、この日は笑顔が絶えず、雰囲気の良さが勝利につながった。「まずは笑顔でバレーをすることを心がけた」という言葉に、キャプテンとしての柔らかなリーダーシップがにじむ。
一方で課題も見えた。3年生がいた時と比べ、レシーブやコンビプレーの精度はまだ不十分だという。来年はこのチームで戦うことを見据え、「もっと精度を上げたい」と小名川は誓う。江崎監督はレシーブやスパイクなど各プレーに明確な数値目標を提示しており、「サーブは10本に1本以内のミス」もその一つ。相手を崩すサーブ、そこから守備でリズムをつかむスタイルがチームの武器となっている。「しっかり守って勝ちたい」と小名川も同調する。
この優勝は、下級生に大きな自信を与えた。小名川は真っすぐな眼差しで「この優勝を機に、春の高校バレー県予選でしっかり勝ちたい」と言い切る。県内のライバルを破るためには、「一つ一つのプレーの質を高め、最後まで集中を切らさないこと」が不可欠だと心得ている。
江崎監督は「今年は下級生の力も大きい。3年生だからといって自動的にコートに入れるわけではない。学年を超えて競争意識がある」と語る。昨年のチームは経験不足を「絶対に負けない」という気持ちで補った。今年はその背中を見て育った下級生が台頭し、刺激を受ける3年生と互いに切磋琢磨する構図だ。
春の高校バレー県予選まで2カ月を切ったチームは成熟の段階へと入る。下級生主体の挑戦がどこまで進化するのか。大分工業の戦いは、これからが本番である。
(柚野真也)
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