
3年生、夏物語 剣道女子 全国準Vの誇り胸に最後の舞台に挑む 【大分県】
剣道
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全国高校総体の剣道女子団体で、大分鶴崎が3位タイと健闘した。チームの大将として最後まで戦い抜いたのが薬師寺結美(3年)である。昨夏の全国高校総体では1勝もできずに終わり、今年3月の全国高校選抜大会でも未勝利。大将としての責任を背負い続けてきた薬師寺にとって、この夏は背水の覚悟で挑む舞台だった。
大会直後は結果を実感できなかったという。しかし地元に戻ると、多くの人々から「おめでとう」と声をかけられたことで、ようやく3位という成果をかみしめた。「3年間やってきたことをすべて出し切れた試合だったので、ほっとした気持ちになれた」と振り返る言葉には、肩の荷を下ろした安堵がにじむ。
大将を任され始めたのは1年生のとき。3年生が引退した直後から背負った重責は、時に薬師寺を押し潰しそうにもした。負けを恐れて引いてしまうこともあった。だが、この夏は違った。「勝っていても負けていても強気で前に出る」。その姿勢を徹底し、苦しい場面でも臆せず仕掛けた。大将としての覚悟が、最後の夏を輝かせた要因である。
技術面での成長もあった。1年時は攻め込まれると下がるばかりだったが、徹底的に足さばきを磨き、相手をさばけるようになった。得意技は「飛び込み面」。小さく揺さぶって相手を引き出し、止まった瞬間を狙う鋭い一撃は、まさに勝負を決する武器となった。
その成果は、6月の県高校総体での明豊戦に凝縮された。全国準優勝の強豪に何度も苦杯をなめてきたが、徹底した研究と全員の結束で雪辱を果たす。「実力は明豊が上。でもチーム力で勝てた」。その勝利は「全国でも通用するかもしれない」という自信をチームにもたらした。
練習は厳しく、試合は常に緊張感に満ちていた。それでも仲間と過ごす時間は楽しく、互いに励まし合いながら乗り越えてきた。「本当に仲の良いチームで、剣道を通じて高校生活が充実した」。薬師寺が振り返る3年間には、敗北の悔しさ以上に仲間への感謝があふれている。
今後は大学受験に臨む。「剣道を続けたい気持ちは強いが、学業との両立が難しいかもしれない」と揺れる心境を口にする。それでも、剣道が大切な軸であることは揺るがない。大学での練習に触れ、「やれる」と感じられれば、再び竹刀を握ることを選ぶはずだ。
薬師寺にとって、この3年間は「かけがえのない時間」であった。勝てない日々も、重圧に押しつぶされそうな瞬間も、仲間とともに歩んだからこそ乗り越えられた。剣道に懸けた青春は終わりを告げるが、その覚悟と経験は次の人生へと確かに息づいている。
(柚野真也)
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