
【指導者の肖像〜高校スポーツを支える魂〜】 信じる力が未来を変えていく 柳ケ浦高校バスケットボール部監督・中村誠(前編)
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全国高校バスケットボール選手権大会(ウインターカップ) 県2次予選が24日から始まる。1次予選から勝ち上がった4校がシード4校に挑み、その勝者が準々決勝から出場するスーパーシード4校と激突する。トーナメントが最終幕を迎える頃には、どんなドラマが待っているのか。第3回はダークホースとなりそうな明豊を紹介する。
5年前のウインターカップ出場以降、県王者から離れていた明豊が復調してきた。週に2度、外部の専門トレーナーを招き、体づくりから見直し、チームの戦い方を固定することで安定して力を発揮できるようになった。これまでは選手の個性でシステムを考えていたが、今は「明豊のシステムはコレだ、という型を作って、そこに選手を当てはめた」と杉山真裕実監督。もちろん選手の特徴を生かし、相手との力関係で変化することはいとわない。
さらに、点を奪うところから逆算してシステムを構築した。その際、大事にしていたのは誰がボールを運び、誰をノーマークにして、誰に得点を狙わせるのか、だった。その一つがエイトクロスで、アウェーまたはスクリーンを使って得点を狙い、チームオフェンスとして機能できるまで高めた。杉山監督は「判断力が必要になるが外からのシュートの確率は高くなった」と手応えを感じている。
県高校総体でベスト4入りした明豊
7月の県高校総体ではシードの情報科学に勝利し、久しぶりのベスト4進出と結果を残した。結果が出たことで選手の戸惑いが自信へと変わった。夏休みは海合宿、山合宿で走力と体力が向上。自慢の攻撃に力強さが加わり、状況に応じた守備システムも導入している。3年生が4人と少ないが、「自分たちがチームを引っ張る気持ちを前面に出す必要がある。インターハイや国体が中止になり、全国大会を目指してもいけなかった他の部のためにも、明豊の名を背負って大会に望んでほしい」と杉山監督。
試合の流れを変えるシューターとして期待される仲野実桜(3年)は、「チームがひとつになって優勝を狙う」と、今大会で明豊旋風を巻き起こす覚悟だ。選手のコンディション、気持ち、能力を見渡し、どこにスポットを当てるかでシステムは変動する。また、自分たちのスタイルを徹底するのか、相手の良さを消したうえで自分たちの特徴を出すのか。一つ言えることは、「攻撃で勢いがつけば守備も乗る」と腰の引けた試合を好まない女性監督は、男気な采配で攻め勝つつもりだ。
攻め勝つスタイルで優勝を狙う
(柚野真也)
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