
全国高校7人制ラグビー大会 2年連続準優勝の大分東明 7人制の経験を15人制へ昇華 【大分県】
ラグビー
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8月末に中国で開かれる「第33回日・中・韓ジュニア交流競技会」に、日本代表U―17の一員として大分東明から3選手が名を連ねた。WTB山本愛翔、PR神崎喜裕、SO吉田夏樹。いずれも2年生で、7人制全国大会準優勝を果たしたチームの主軸だ。代表の舞台で得た経験を冬の花園へとつなげる覚悟を胸に挑む。
チームの司令塔である吉田は、広い視野と冷静な判断力を併せ持つ。自ら切れ込むか、仲間へパスを通すか。瞬時の判断で試合を動かすゲームメーカーだ。持ち味は左足から繰り出す精度の高いキックと、相手の重心を逆手に取る鋭いステップ。さらに「どんな相手でもタックルで倒し切る」という守備への自信も揺るがない。代表初選出の喜びと緊張を抱えつつ、「強化合宿から積極的にコミュニケーションを取り、自分の良さも仲間の良さも引き出す」と意気込む。
山本は“韋駄天(いだてん)”の異名が似合う快足ランナーだ。50メートルを6秒台前半で駆け抜けるスピードと、抜群のステップワークでトライを量産する。課題とするのは状況判断。「抜けるかどうかの見極めを磨きたい」と語り、7人制で得た成功体験を自信に変える覚悟だ。「走り切る力を全面に出す」。その言葉通りグラウンドを縦横無尽に駆け抜け、勝負を決める一撃を狙う。
最前線でチームを支えるのが神崎だ。スクラムやラインアウトなど、試合の土台を築くセットプレーでの安定感は群を抜く。さらに力強いキャリーで相手守備の厚い部分を突破し、前進を生み出す頼れる存在でもある。「海外の相手と対戦できるのが楽しみ。すべてを糧にして代表経験をチームに還元したい」と語るように、その視線の先には常にチームを強くしたい思いがある。
3人はこの夏、国際舞台で強度の高いラグビーに身を投じる。異なる文化、異なるプレースタイルとのぶつかり合いは、彼らの引き出しを増やすだろう。そして、その成果は冬の花園予選で必ず形になるはずだ。スピード、パワー、戦術眼など、それぞれの武器を携え、再び仲間と共に全国の頂を目指す。大分東明の3本の矢が、中国の地でどんな輝きを放つのか楽しみだ。
(柚野真也)
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