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ヴェルスパ 止まらない快進撃、天皇杯1回戦突破

ヴェルスパ 止まらない快進撃、天皇杯1回戦突破

 サッカーJFLリーグで暫定首位のヴェルスパ大分は、天皇杯全日本選手権で初戦を突破した。大分にとって、この試合は約2週間で5試合を戦う2試合目。そもそも連戦の経験の少ないチームであったが、ベスト布陣でメンバーを大幅に入れ替えた同じカテゴリーにいるテゲバジャーロ宮崎と対戦。「相手はいつもと異なるメンバーだったが勢いがあった」(須藤茂光監督)。序盤に自陣でのパスミスから先制点を奪われ、薮内健人の同点ゴールで追いついたが、直後にP Kを与え再びリードを許す。キャプテンの瓜生昂勢は、「自分たちの(パスをつなぐ)スタイルを貫く以上はある程度のリスクも覚悟の上」と2失点しても焦りはなかった。

 

 後半は早くも逃げ切りを図り、自陣で人数を割いて守る相手に手を焼いたが、丁寧にパスをつなぎ、何度も左右に揺さぶり、わずかな隙ができると縦パスを入れる。縦と横の攻撃で相手の守備網のほころびを見つけ、チャンスを作った。同点ゴールを奪うまでに時間を要したが、最終ラインにいるはずのC B浦島貴大が攻撃参加し、前線に残る奇抜な策略を遂行してゴールを揺らした。

 

1点目を決めた薮内健人

 

 形勢は一気に逆転し、前がかりになる大分が攻勢に出る。90分で決着がつかず、延長でも攻める大分、守る宮崎の構図は変わらない。ただ、大分の攻撃はポストやバーに阻まれ、P K戦までもつれた。瓜生は「P Kはメンタル勝負。技術より集中力。開き直った」とチームに程よい緊張感を作り、大一番に臨んだ。

 

 この場面で力を発揮したのが姫野昂志だった。大分一筋、チーム在籍8年の絶対的守護神は、4人目と7人目のシュートを阻止して、チームの勝利を呼び込んだ。チームは今季、公式戦5戦全勝。「自然体で試合に臨めているし、それがいい方向に出ている。出場した選手がそれぞれパフォーマンスを見せている。チームとして戦えている手応えがある」(瓜生)。しっかりと自分たちのスタイルを貫き、勝負強さも備わりつつある。止まらない快進撃は続く。

 

 

パスを左右に散らした瓜生昂勢

 

 

(柚野真也)