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全国高校7人制ラグビー大会 2年連続準優勝の大分東明 7人制の経験を15人制へ昇華 【大分県】

全国高校7人制ラグビー大会 2年連続準優勝の大分東明 7人制の経験を15人制へ昇華 【大分県】

 全国の舞台で大分東明が再び存在感を示した。初の頂点には届かなかったものの、2年連続準優勝は堂々たるものだ。全国高校7人制ラグビー大会は、3チームずつ16組に分かれた予選から始まり、各組1位が決勝トーナメントへ進む。短期決戦の中で、大分東明は試合ごとに成長を遂げ、勝ち進んだ。

 溝口健太監督は「ボールを動かし、相手を見て、このサインプレーが使えるんじゃないかと考えてプレーする。本人たちも遊び心を持ちながら相手を崩した」と、選手たちの柔軟な発想と対応力を高く評価する。大会が進むにつれチームの一体感は増し、プレーには余裕と自信がにじんだ。

 開会式後のミーティングで問いかけた。「何しに来たのか」。選手たちは迷わず「優勝を狙いに来た」と答えた。その瞬間から空気は変わった。練習やミーティングの雰囲気が引き締まり、全員が同じ方向を見据えた。決勝トーナメントからは、けがから復帰したキャプテンの田中勝斗(3年)が戦列に加わり、試合運びはさらに安定。持ち味のステップワークと腰の強さで、タックルを受けても倒れず前進し、チームを押し上げた。

大会を終え、ラグビーに対する意識が高まった

 決勝の相手は堅守を誇る国学院栃木。果敢に挑んだが7―33で敗戦。それでも、高校日本代表候補の黒岩稜(3年)がトライを決め、意地を示した。黒岩は「日本一に届かなかったのは悔しいが、冬の花園に向けて大きな自信になった」と前を向く。

 6月の県高校総体終了後、7人制のメンバーを選び、15人制とは別メニューで練習を重ねてきた。15人制と同じフィールドを使う7人制は、求められる運動量や身体能力が格段に高い。それでも、約10年前から全国大会に出場してきた経験とノウハウがある。その強みを生かし15人制のスタイルをベースに、ボールを動かすバック主体の布陣に、パワープレーとオフロードパスができるFWを組み込み、攻撃の幅を広げた。

 溝口監督は「この大会で得たボールを動かすスタイルを、15人制にも落とし込みたい。FWも含め、見ていて楽しいラグビーを全員で共有する。今年のチームは、個の力よりも“まとまり”で勝負する」と力を込める。夏は、もう一度基礎を固め直す大切な時期だ。猛暑の中での合宿で体力と連係を磨き、秋から冬へ。その先にあるのは花園の頂点である。

 7人制で培ったスピード、創造性、そして相手を翻弄(ほんろう)する展開力。それらが15人制の舞台でどれほど通用するのか期待は膨らむ。冬の大舞台に向けたカウントダウンが始まった。

チーム力で勝負している

(柚野真也)

大会結果