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大分上野丘高校 創部70年。OB監督が勝者のメンタリティーを説き、古豪復活を目指す

大分上野丘高校 創部70年。OB監督が勝者のメンタリティーを説き、古豪復活を目指す

 

 創部70年の節目を迎える大分上野丘高校ラグビー部。新チームとなって全国高校7人制県予選でベスト4入りしたが、県高校新人大会では1回戦負け、県高校総体では2回戦負けと結果を出せていない。聖地・花園の出場権を決める全国高校ラグビー大会県予選まで3カ月。3年生は5人残るが、夏休みの期間に1、2年生の底上げが急務だ。

 

 2年生10人、1年生8人のうちラグビー経験者は5人。2年生でただ1人のラグビー経験者であるキャプテンの藤本涼太郎は「いつまでも3年生に頼ってはいられない。飛び抜けた選手はいないがチーム力で戦えるチームをつくりたい」と仲間を引っ張る覚悟を感じさせる。毎日の練習は基礎練習の積み重ね。以前はダラダラと時間だけ過ぎたが、「個々のレベルアップを図るには近道はない」との白石欣基監督の教えを守り、一人ひとりに自覚が芽生えたようだ。

 

 白石監督は2年前に赴任した同校OBであり、母校愛は強い。「教員生活の集大成として強い上野丘を甦らせる」と指導歴30年を越える白石監督は泰然と語る。「勝つために必要なものは気持ち。勝ちたいという情熱。それがなければ何も始まらない。そのためには、まずは勝つ喜びを知ること。そして、さらに強い相手に勝てるようになる」

 

 勝つためのトレーニングは実践的だ。常に試合を意識させ、状況判断を磨く。素走りはなく、複数の動きを組み合わせたアップにはじまり、徐々にペースを上げる。ボールを使った練習では2対2の状況から、人数を増やし攻守の切り替えの速さを意識づけさせる。どの練習も一つひとつの時間が短く、選手は集中力を持続させることができるというわけだ。「ウチは進学校だから練習時間が限られている。練習量を言い訳にしたくない。効率良く練習するしかない」と、外部スタッフと短期、中期、長期の練習プランを考えて、強化を図る。

 

 取材日の練習は朝8時からと早かったが、1時間半程度。「いつもこんな感じ。朝早いと昼からの時間を有効に使える。夕立もないので天候に左右されないでしょ」(白石監督)。効率良く練習をして、結果を出す。白石イズムは徐々に浸透している。「ジャイアントキリングを起こしたい」と全国高校ラグビー大会県予選への秘策を練っている。

 

 

(柚野真也)

大会結果