
由布高校射撃部 園田理章(2年) file.850
ライフル射撃
全国高校ライフル射撃選手権の男子ビームライフル団体で由布が3位に輝いた。メンバーは片桐大河、秦鳳真路(たかまろ)、平川心。いずれも2年生。全国の強豪がひしめく舞台で、若き3人組が放った一発一発が、確かな存在感を刻み込んだ。
個人戦でも光った。片桐は4位入賞、秦は7位と大きく順位を伸ばした。昨年の同大会で結果を残せなかった秦は、リベンジを胸に秘めて挑んだ。「これまで全国大会で入賞したことがなかったので本当にうれしい。これからの大会につながる」と語る。予選では思うような点数が出せなかったが、決勝では冷静に修正。とはいえ、「応援の声に気を取られて集中力を欠いたのは課題」と自己分析するあたりに、成長の余地と貪欲さが見える。
団体戦では3番手ながら奮闘した平川は、「個人戦でも結果を出した片桐と秦のおかげ。練習の成果は出せたが、まだまだ頑張らないと」と表情を引き締めた。表彰台の喜びに浸る間もなく、視線はすでに次の舞台へ向いている。
今回の舞台には、経験を積むための挑戦者もいた。個人戦に出場した猪原悠人(2年)は、「大会当日は暑く、エアコンのない環境は初めて。参加人数の多さに圧倒され、自分のペースで撃てなかった」と悔しさをにじませた。一方、1年生の河野俊介は初の全国舞台で「緊張したが楽しかった」と笑顔も見せた。結果は伴わなかったが、「来年は団体メンバーに入り、個人でも結果を出したい」と目標を口にした。
全国の経験は、彼らをさらに強くする。8月末には国スポ九州ブロック大会が控える。片桐と秦は県代表として出場予定で、「まずは国スポの出場権を確実に取り、いい成績を残す」と誓う。猛暑や声援、全国特有の空気感──今回味わったすべてが、次の戦いに向けた糧になるだろう。
由布の挑戦は、まだ続く。団体戦3位という勲章は、終わりではなく、次の頂点を目指すための通過点だ。全国の舞台で磨いた集中力と修正力を武器に、再び勝負に挑む。見据える先には、さらなる成長と勝利の瞬間がはっきりと映っている。
(柚野真也)
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