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全日本スポーツ射撃選手権 ビームライフル女子団体 由布が準Vでつかんだ誇りと悔しさ 【大分県】

全日本スポーツ射撃選手権 ビームライフル女子団体 由布が準Vでつかんだ誇りと悔しさ 【大分県】

 静かな空間で、呼吸まで意識して挑むビームライフル競技。わずか1ミリの差が勝敗を分ける集中力と技術の勝負だ。そんな精密な世界で県勢が大きな成果をあげた。全日本スポーツ射撃選手権のビームライフル女子団体で、由布が準優勝を果たした。全国から強豪が集まる大会で堂々と表彰台に立ち、チームの実力とまとまりの強さを証明してみせた。

 中心となったのは全国でも実績のある秋吉柚奈(3年)。個人戦でも準優勝を果たした実力者は、「団体で表彰台に立てるとは思っていなかった。本当にうれしい」と笑顔を見せた。しかし、その裏には、これまで団体戦で結果を出せなかった悔しさがあった。「みんな集中して撃てた。練習の成果が出たと思う」。その言葉には、仲間と積み重ねてきた時間への確信があった。

 ビームライフル競技は、精密な制御が求められる。10メートル先にある直径0.5ミリの10点ゾーンを60発中いかに正確に撃ち抜くか。わずかな姿勢の崩れや心拍の乱れが、スコアに影響する。秋吉は大会新となる421.7点を記録。安達帆海(2年)と石田愛(同)も410点以上を記録し、チームの高水準な安定感を支えた。

優勝を逃しリベンジに燃える石田愛

 石田の胸には悔しさも残る。「いつも通りに撃てていたら優勝できていた点数。あと1点ずつあれば…」。そう語る表情には、団体戦の奥深さがにじんでいた。特に、秋吉との最後の団体戦だったという思いが、なおさら悔しさを募らせた。

 チームはすでに次を見据えている。松本茜音(1年)は今大会でリザーブとして初出場。「全国の雰囲気を経験できたのは大きい。練習のモチベーションにもなる」と、先輩たちの集中力に刺激を受け、言葉に強さを宿した。

 秋吉は競技人生の集大成として、次に控える国スポ九州ブロック大会へ意欲を燃やす。「日本一になって競技生活を終えたい」と次なる的を捉えている。心身を整え、一発一発にすべてを込めるつもりだ。競技人生の締めくくりとして、自ら納得のいく一発を撃ち抜くために。

ビームライフル女子団体で準優勝したメンバー

(柚野真也)