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ヴェルスパ 理想とするサッカーを展開し、開幕2連勝

ヴェルスパ 理想とするサッカーを展開し、開幕2連勝

 狙い通りの形から同点弾を打ち込み、さらに逆転、追加点で快勝を収めた。JFLヴェルスパ大分が開幕2連勝と好調だ。今季は須藤茂光監督がチームを率いて3年目。ポゼッションを重視したサッカーを標榜する大分にとって、望む形で結果を出している。

 

 今季のJ F Lリーグは新型コロナウイルスの影響で日程変更を余儀なくされ、16チーム総当たり2回戦の30試合が後期のみの15試合に短縮された。23日、今季2試合目となった17節いわきF C戦では、序盤は相手の前線からの圧力に押し込まれ、先制点を許した大分だが、自分たちのスタイルを貫くことで流れを引き戻した。須藤監督は「相手は先制したことでホッとしたのか引いた。われわれはボールを動かせるようになり、前半の2点で勝負がついた」と話す。

 

 大分の勝因は、失点してからの戦い方に見いだせる。「簡単にクリアせず、ボールを動かせるようにポジションを取り、試合を組み立て、パスをつないだ」と須藤監督が言うように、まずは守備を安定させ、ボールを奪うと中盤の選手がパスを受け、ターゲットとなる中村真人やアタッカー陣にボールを供給した。1点目は前半40分にトップ下の中野匠が中村とのパス交換から抜け出し、同点ゴールを決める。その2分後には、新加入の薮内健人が移籍後初ゴールを決めて逆転に成功した。

 

いわき戦で同点ゴールを決めた中野匠

 

 リードした後半は、しっかり守備を固めつつ、ショートパスでつなぐこともあれば、1本の縦パスで前がかりとなった相手の背後を突いた。「どこを狙えば相手が嫌がるかを共有できている」と須藤監督。カウンター狙いは、リードしたチームにとって常套手段である。望むべき形ではなかったのかもしれないが、2試合で3得点の利根瑠偉は「そこは割り切ってやった。チーム全体で意思統一し、組織としてしっかり守れた」と、狙い通りの戦いであったことを強調した。

 

 昨季までの大分は、自分たちのサッカーに固執するあまり、攻撃が停滞したり、リードを守れなかった試合も経験している。しかし、今季は相手の動きを見て、嫌がるプレーを考えて勝負に徹している。須藤監督は「これまで積み上げたものが形となっている。2連勝しただけで一喜一憂することはない。順位や結果より選手が成長できているかに期待している。もちろん勝つことで成長するので、そこはこだわりたい」と、短期決戦ではあるが地に足をつけた戦いを目指す。「自分たちのサッカーをすれば勝てるという手応えがある」(利根)。選手たちにはその感触が確実に残っている。それを90分間体現し、15試合を戦い抜く挑戦が始まる。

 

連勝スタートしたヴェルスパ大分

 

 

(柚野真也)

大会結果