監督の哲学 押し付けない指導で選手の力を引き出す飯田朱音監督(昭和学園高校バドミントン部) 【大分県】
バドミントン
#スポーツのチカラ 県高校総体 バドミントン男子 別府鶴見丘が6連覇、藤本は3冠
1カ月以上に及んだ県高校総体の最終競技となったバドミントン。男子の個人戦、団体戦で実力通りに力を発揮したのが別府鶴見丘だった。園田高志監督は「今年の3年生は辛い思いをした。その思いを爆発させ、後輩に何かを残してほしかった」と、団体戦には3年生のみでエントリー。新型コロナウイルスの感染拡大の影響によって全国大会の道が途絶え、目標を失い、練習もできない状況を味わった。県高校総体の開催が決まっても豪雨で延期になり、自分たちではどうすることもできない状況が続いたが、諦めずに競技に打ち込んだ3年生に対し、区切りを付ける意味もあったが、「3年生だけで優勝できる勝算があった」(園田監督)からこそ決断した。
決勝までセットを落とすことなく勝ち上がったが、決勝では「6連覇のプレッシャーで受けに回ってしまった」とキャプテンの中山虎之介(3年)。1、2年生で編成した大分西に苦戦。第1、第2ダブルスで勝利し王手をかけたが、シングルスを二つ落とし2−2となる。決着はエース藤本裕也(3年)に託された。藤本は「自分が勝てばいい」と開き直れたという。得意の波状攻撃に持ち込むためにレシーブで球を散らし、前がかりに攻める。粘る相手とのラリーで一歩も引けを取らず、気持ちで強いショットを打ち込み、最後は藤本の「体が勝手に動いた」というドロップで決着。激戦を制して、団体戦6連覇に導いた。
個人、団体で3冠を達成した藤本裕也
苦しみながらも団体戦を勝ち取ったことで勢いづいた。個人ダブルスは準決勝を別府鶴見丘が独占し、同シングルスも準決勝の3枚を別府鶴見丘の選手が名を連ねた。「全国大会にはつながらない悔しさはあるが、高校最後の大会で結果を残せて満足している」と振り返った藤本は、個人シングルス、ダブルスで優勝し3冠を達成した。「連覇を守り、自分たちの役割は終わった。3年間苦しいことも楽しいこともあったがやり切った」(中山)と有終の美を飾った3年生は、笑顔で後輩にバトンを託した。
6連覇で集大成を飾った別府鶴見丘の3年生
(柚野真也)