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全国高校総体 卓球男子 加速する成長力 明豊1年生軍団 【大分県】

全国高校総体 卓球男子 加速する成長力 明豊1年生軍団 【大分県】

 卓球の全九州体育大会で、明豊が男子団体で準優勝した。注目すべきはメンバーがすべて1年生だったという事実だ。高校に入学してわずか3カ月、新たな世代が躍動し、全国高校総体(インターハイ)でも旋風を巻き起こす気配を漂わせている。

 藤本賢司監督は、「九州大会で準優勝は十分満足している」と柔らかく笑う。とはいえ、その裏には大胆な決断と覚悟があった。メンバー選考は、県高校総体の個人シングルスの成績を絶対基準とし、1位から順に選抜。その結果、上級生は一人も残らず、選ばれたのは全員1年生だった。

 「年功序列はスポーツには通用しない」。結果が示す実力主義を貫いた。だが、藤本監督の胸の内に不安がなかったわけではない。高校生特有のパワーとスピード。未知の領域に踏み込む1年生がどこまで戦えるのか、半信半疑な部分もあった。

全国総体に向けて練習から気合が入る

 そんな不安を吹き飛ばしたのが、エース小野大翔だ。県総体では個人、ダブルス、団体の三冠に輝いた。しかし九州大会では高校の壁を感じた。「相手の球の威力が全然違った。インターハイまでにパワーと体力をしっかり鍛えたい」。強豪ひしめく全国総体を見据え、小野はすでに次の目標を見据えている。

 卓球は頭脳の競技でもある。小野は相手の戦術を読み、甘い球を逃さず仕留める冷静さがある。団体ではエース格となる中野純正は真逆のスタイル。鋭い動きと前陣速攻で相手を圧倒する。九州大会決勝では、相手のエースを倒し勝利に貢献した。そこに、爆発力のある比嘉輝人が加わる。強烈なバックハンドと前陣でのパワフルな攻撃。ダブルスでは小野と好相性を見せ、躍進の原動力となった。この3人が主力となる。

 「今年は失うものは何もない。とにかく思い切って前へ突き進め」。強化3カ年計画を打ち出した藤本監督は迷いなく言い切る。今はチャレンジャーとして思いきり戦い、経験を積むことが何より重要だという。そして、その先に描くビジョンは鮮明だ。2年目には全国の舞台で上位進出、そして3年目には“全国制覇”という明確な目標を掲げている。

 明豊の“黄金世代”は歩み始めたばかり。大きなポテンシャルと勢いを武器に、全国の強豪校に真っ向から挑む。果たして、1年生軍団がどこまで高く飛び立つのか、期待は高まる。

エースの小野大翔

(柚野真也)

大会結果