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全国高校総体 テニス男子 大分舞鶴 結ばれた思いが頂点への力になる 【大分県】

全国高校総体 テニス男子 大分舞鶴 結ばれた思いが頂点への力になる 【大分県】

 テニスの全国高校総体、男子団体戦に挑む大分舞鶴が、確かな手応えをつかみつつある。今年3月の全国高校選抜大会でベスト4に入ったことで、優勝を狙えるという自信が芽生えた。団体戦最高成績は2022年の同大会の準優勝。悲願の日本一へ、着実に歩みを進めている。

 団体戦はシングルス2本とダブルス1本で構成される。注目は、個人シングルスとダブルスで全九州高校体育大会2冠を果たした太田周(2年)。攻撃的なプレースタイルが持ち味で、勢いに乗れば一気に試合を決める爆発力がある。シングルス2には池田武嶺(同)が入る予定で、両者とも昨年の全国総体を経験している。ともにパワフルなストロークとサーブを武器に攻めるが、課題は安定感。その粗さが大舞台でどう影響するかがカギとなる。

 ダブルスの要はキャプテンの安藤大和(3年)。左腕から放たれるサーブと巧みなネットプレーで、試合の流れをつくる。「ミスを減らしダブルスで勢いをもたらしたい」と語る安藤は、状況によって高橋央太郎(2年)か川原功聖(3年)とペアを組む。いずれも調子を上げており、ボレーが得意な安藤とのコンビネーションが勝敗のポイントとなりそうだ。

全国総体に向けて調子は上向き

 宇野敦也監督は「秘策はない。トリッキーなことはせず、舞鶴らしいテニスを貫く」と語る。目の前の試合に集中し、取りこぼしなく確実な勝利を重ねることが日本一への近道となる。その背景には、昨年の全国総体個人シングルスで優勝した先輩の背中がある。あの勝利を見た現2・3年生たちは「先輩はもっと練習したはず」「もっとこだわっていた」と、自分自身に求める基準を引き上げながら、日々の練習に臨んでいる。

 そしてもう一つ、チームを陰で支えるマネージャーの存在だ。選手たちの手首に巻かれたミサンガは、全国の舞台で戦う選手たちのために一つ一つ手作りしたもの。全国総体には帯同できない3年生マネージャーの思いと、「絶対に団体で日本一を」という願いが編み込まれている。

 安藤は「僕ら3年生にとって日本一になるチャンスはここしかない。絶対に優勝したい」と強い覚悟を口にする。その言葉には、キャプテンとしての責任だけでなく、ミサンガに込められた思いも背負っている。川原は「ミサンガをもらった日を忘れない」と語る。1年生の時にもらったミサンガは、九州選抜大会の決勝の朝に自然と切れ、その日の試合で優勝をつかんだという。川原は「きっとミサンガが力をくれたんだと思う」と振り返り、今回もその時のように“勝利の予感”を信じている。

 インターハイまであとわずか。チームの団結力と、仲間の思いを胸に、大分舞鶴は全国の頂点を目指して、静かに闘志を燃やしている。

悲願の団体日本一を目指す


(柚野真也)