大分高校ソフトテニス部 青野良真(3年) file.825
ソフトテニス
#スポーツのチカラ 県高校総体 ソフトテニス女子 明豊最強ペアの夏ははじまったばかり
県高校総体の先陣を切って行われたソフトテニス女子は個人戦ダブルスのみの開催。明豊が4強を独占し、岩倉彩佳・渡辺凛華の明豊3年生ペアが優勝した。雨の影響で参加者はラケットのガットが緩み、ボールの回転を制御できずに苦しむ中、「ボールをふかさないように(回転を抑えて)打った」(岩倉)。安定したショットで勝ち進み、決勝で1ゲームを落とし目標としていた“完全優勝”は達成できなかったが、全6試合で実力通りの力を見せた。
昨年9月のJOCジュニアオリンピック選手権女子シングルスU-17で日本一となった岩倉は、3月の全国高校選抜大会、8月の全国高校総合体育大会(インターハイ)で優勝を狙っていた。「中止が決まった時は実感がなかった」と現実を受け止めきれなかったが、「試合ができなかったから分かったことがある」と話す。「競技ができることが当たり前ではなかった。好きなことを全力でできるのは周りのサポートがあってこそだと気付かされた」。県高校総体で優勝しても全国への道につながらないが、支えてくれた方々への感謝の場として「競技ができる喜びを表現した」。
上位を独占した明豊
コートが濡れ、足元が滑りやすかったが、角度のついたショットで相手を走らせ、付け入る隙を与えなかった。昨年の国体後からペアを組む渡辺とのコンビネーションも良好だった。前衛で構える渡辺が相手のストロークコースを塞ぎ、プレッシャーをかけミスを誘う。甘い返しがきたら強烈なスマッシュを決めた。二人は中学の頃からライバルで、大分県選抜でペアを組んだこともある。高校になってからはチームメートになり、寮生活で寝食を共にした。同学年は2人だけ。衝突することもあったが、岩倉は「心が広く、受け止めてくれた」と感謝し、渡辺は「岩倉がいなかったら辞めていた。ずっと傍にいてくれた。日本一を目指せなかったが、この大会に向けて全力を出せた」と振り返る。
日本一の夢はかなわなかったが、2人は夏休みに全国の強豪校に道場破りの旅に出るという。「今、対戦相手をリストアップしている。楽しみで仕方ない」(岩倉)、「やり切れない思いを全て出す。どんな相手でも勝つことしか考えていない」(渡辺)。まだまだ夏は終わらない。2人だけの日本一の挑戦が始まる。
優勝した岩倉彩佳(後衛)・渡辺凛華(前衛)
(柚野真也)