
サッカーU―17日本代表 代表の誇りを胸に、平野稜太が世界へ挑む 【大分県】
サッカー
後藤優介はゴールを奪うストライカーだ。
ただ、その呼称の前にエースという言葉がついていない。
昨季は1得点差でJ3リーグ得点王を逃したが
14得点でJ2昇格の立役者となった。
エースとして責務を果たしたが本人はそうは思っていない。
「大事な場面で勝負を決めるのがエース」
描くエース像に近づくためにゴールを量産する覚悟だ。
――今季は全試合先発出場していますが、現在のコンディションは?
「夏に入り少しバテているけど悪くはないです。練習量は監督が考えて調整してくれているので問題ないし、コンスタントに試合に出ている方がコンディションを整えやすいです」
――コンスタントに試合に出られている理由は?
「ケガなくやれていること、チームのサッカーを理解して自分の特徴を出せているところですかね。それと食事には気を付けています。しっかり三食とり、お菓子を食べないとか。夏バテ対策としては水分と塩分をとるとかですね」
――現在12得点でJ2リーグ得点ランキング4位。そのうちハットトリック2回と好調ですね。
「ここ4試合は得点できていないし、固め取りばかりなので、チームを勝利に導くという点ではコンスタントに1試合1点取りたいです。そのためにはシュート意識を高めなければいけない。シュート数が増えれば、もっと点が取れるとも感じています」
――とはいえ、ゴール前に顔を出す回数は増えています。
「そこは意識が変わりました。FWはゴール前が仕事場。そこで、いかにボールを受けられるかが大事だし、動きの質が良ければ点にもつながる。だから、ゴール前に顔を出すプレーを増やそうとしています」
――以前は起点になることを意識し過ぎて悩んでいた時期もありましたが、吹っ切れた印象です。
「吹っ切れたというよりは、ゴールへの姿勢、意識が変わりました。今まで(シュートを)打っていないところで打てるようになった。それが一番大きいです」
――考え方が変わったのは、いつ頃からでしょう?
「昨年からですかね。片野坂監督やコーチから『もっとゴール前に入っていけ』とか『もっとシュートを打て』とずっと言われていました。それが整理できて、迷いなく打てるようになった。シュートを打った方が自分のリズムを作りやすいし、打つことで相手も対応しにくくなる。自分のプレーの選択肢が増えて、それから気持ち良くサッカーができるようになったかな」
――それまでは?
「考え過ぎて自分を出せていないところもありました」
――今は、伸び伸びとプレーができていると。
「昨年結果が出て自信を持てるようになり、思い切ったプレーができています。今年はカテゴリーが上がり、どれだけできるか不安はあったけど迷いなく(プレーが)できています。それに周りの選手がボールを収めてくれるので、自分はゴールだけの意識が強くなりました」
――今季も得点を量産できている理由は?
「周りの選手のおかげです。僕の動きを見てくれ、自分のところに(パスが)きているし、いい位置でボールが取れているので、あとは自分が仕留めるだけという場面を作ってくれているからです」
――確かに連係はスムーズです。特に前線のトライアングルの関係は良好ですね。
「自然とパス交換ができています。ふたりでワンツーしてシュートを打つとか、3人目が絡むとか、上手くかみ合っています。ただ、繰り返しになりますけど、もっとゴール前に入っていく回数を増やさないといけない。サイドに流れた後にしろ、引いてもらった後にしろ、とにかくゴール前にいく。そこは大事にしたい」
――ゴールへのこだわりが強くなりましたね。
「昨年J3で14点取りましたが、J3だったからと言われたくないので、今年は特に得点へのこだわりは強くなっています」
――あえて自分のゴールの形を挙げると?
「GKと1対1の場面をつくるのが自分の理想。まだ、そこで決めきれていないので、余裕を持てれば自分の理想のゴールに近づくと思います」
――主張する場面も増えたように感じます。PKやFKはキッカーを任せられることも増えているのでは?
「昔に比べたらね。主張しないとボールはこないし、味方も気づいてくれないのでそこは意識しています。PKは昨年から蹴らせてもらっているし、(シュートを)外すイメージがない。でも蹴りたいという人がいれば譲ります(笑)」
――サポーターが「オーラが出てきた」「責任感が出てきた」と言っていました。
「オーラですか。まったくないですよ。責任感もどうですかね。単純に試合に勝ちたいだけです」
――後藤選手が描く理想のFW像、エースストライカーとは、どんなものでしょうか?
「(名古屋グランパスの)佐藤寿人さんの動き出しは凄く意識しているし、手本としています。理想はチームが苦しいときに点が取れる選手。そういうFWは信頼される。そこを目指したいです」
――今季20得点も視野に入っているのでは?
「意識せず、1試合1試合に勝てるように自分の得点、プレーにこだわりたいです。昨年の結果、そして優勝できたことが自信になっているのは確かですが、また何も結果は残せていない。本当に、これから頑張るだけです」
■プロフィール■
ごとう・ゆうすけ/1993年4月23日生まれ、鹿児島県出身。170cm、69kg。笠野原SSS—鹿屋東中—大分U‐18。今季25試合14得点。スピードとシュートテクニックに優れたストライカー。昨季はキャリア最高となる14点を挙げ、今季はさらなる更新が期待されている。
(柚野真也)
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