大分高校ソフトテニス部 青野良真(3年) file.825
ソフトテニス
#スポーツのチカラ 県高校総体直前特集 ソフトテニス女子
学校対抗戦は行わず、個人戦ダブルスのみが開催されることになった県高校総体ソフトテニス。女子は今年も経験値の高いメンバーがそろう明豊が優勝候補だ。出場が決まっていた3月の全国高校選抜大会が中止となり、次こそはと全国高校総合体育大会(インターハイ)に向けて練習を重ねてきたが、残念ながらその思いはかなわなかった。彼女たちは「県総体で圧倒的に勝つ」ことを目標にコートに立つ。
吉良洋介監督が「今年は日本一を狙えるメンバーがそろっていた」というように、昨年の9月のJOC杯ジュニアオリンピックで日本一になったキャプテンの岩倉彩佳(3年)や、同12月の九州高校新人大会で岩倉とペアで九州ナンバー1に輝いた渡辺凛華(3年)を中心に、実力も経験もあるメンバーがそろっている。
今年のチームは全国上位を狙えた実力があった明豊
春先から大会中止が続いたが「立ち止まっているわけにはいかない」と、今できることに取り組もうとしている。そのひとつが、しっかりと感染症対策をした上で強豪校との練習試合を増やすことだ。「大会がないと県外の強豪校と戦う機会が減る。特に3年生には『あの学校に勝った』という経験ができる場を設けてあげたい」という吉良監督の思いから、すでにいくつかの高校との試合が決まっている。これは単なる思い出づくりではなく、「成功体験により一人一人が競技を通じて“人としての成長”を遂げてほしい」という思いからだ。
県総体の目標は、「全ゲーム、相手に1本も許さずに勝つこと」だ。どの学校も果たせなかったことを実現して、上位を独占することを目標にしながら競技を楽しんでいる。常に高いレベルで練習や経験を重ねてきたからこそ、高い目標もかなえてくれそうだ。岩倉は「日本一を目指していたから悔しいけれど、全てが当たり前ではなかったのだと気付かされるいい機会だった。これまで支えてくれた人に恩返しする意味でも、一球一球に思いを込めて勝ちたい」と、チームメートと一緒に戦う最後の大会にかける思いは強い。個人戦といえども、“全員で上を目指す”という強いチーム力も重要。競技への思いやチームメートの声援を力に、魂を込めた一球を打ち込み続け、上位を勝ち取る。
県総体は完全優勝を狙う
(黒木ゆか)