
珠玉の一枚 Vol.40 【大分県】
剣道
剣道男子は明豊が頭ひとつ抜けている。ここ数年、全国レベルの大会で結果を残し、昨年の全国高校総合体育大会(インターハイ)では過去最高の3位。悲願の日本一が見えてきた。それだけに新型コロナウイルスによって出場機会を奪われた全国高校選抜大会、そして、3年生が集大成と位置付けていたインターハイ中止の落胆は大きい。県高校総体の開催が決まったが、上級大会へ続く道はない。心技体を必要とする剣道。心を整える作業が明豊にとって最も重視されることになる。追うのが三重総合、大分、柳ケ浦となりそうだが、明豊と同時期に男子剣道部を創部した5年目の大分国際情報に勢いがある。
初の団体戦優勝を目指す国際情報を取材した。男子剣道部は3年生が3人と少ないが、力のある2年生とともにチームを支える。今年1月の全国高校選抜大会県予選では4位に終わったが、決勝リーグに勝ち上がった3校の中で唯一明豊に引き分けた。高倉寛矢監督は「明豊が飛び抜けていることに変わりはないが、そろそろ勝ちたい。選手には常々、自分のできることをやり尽くすことを求めている。戦うステージに上がれば、後は迷いのない方が強い。制限はあるが、ようやく練習ができるようになったので大会までに迷いをなくしたい」と話す。
県総体に3年間の思いをぶつける国際情報の村田光(3年)
国際情報の主将・村田光(3年)は、「インターハイ出場が高校3年間の目標だった。中止になったときは何を目標にすれば良いか分からなかったが、剣道人生は終わっていない。目標がないなら作ればいい」と、県総体開催が決まってからは団体戦初優勝に照準を合わせた。他の部員にも迷いはなく、練習に打ち込めていると言う。昨年11月の県新人大会の個人戦で優勝した藤野空志(2年)は、「次は団体戦で勝ちたい。そのための練習をしてきた」と言葉に力がみなぎる。部活動休止の間は、「スポーツの基本は走ること」と高倉監督が課した階段ダッシュを繰り返し、下半身を重点的に強化した。「スタミナはもちろんだが、足が使えるようになった」(高倉監督)
競技は男女とも団体戦、個人戦が開催されるが、口からの飛沫を抑えるための面マスクや技を仕掛ける時の発声を控えるなど、これまでと異なる規制があり、戸惑う場面が出てきそうだ。順応力も試される大会となりそうだが、高倉監督が話したように「迷いのない」チームが頂点に立つのだろう。
国際情報は団体戦優勝を目指す
(柚野真也)
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