県高校野球選手権 投手陣でつかんだ優勝 柳ケ浦、接戦制し夏へ弾み 【大分県】
野球
「最後まで一球一球を追う」 大分舞鶴高校野球部
全国高校野球選手権大分大会の代替大会となった「2020県高校野球大会」に向けて、大分舞鶴の安東和樹監督は「3年生は優勝しても引退、負けても引退。大会が始まるまで50日ぐらいだが最後まで一球一球追っていこう」と呼び掛けた。キャプテンの新名凌馬(3年)は、「甲子園に出て強いチームと対戦したかったが、代替大会が開催されるのはうれしい。優勝が目標。高校最後の夏は3年生21人と一緒に笑って終わりたい」と話した。
部活動の休止に始まり、春の県大会の中止、全国高校野球選手権の中止など、春先からこれまで想定外のことが多く起きたが、3年生を中心に動揺はなかった。平田真裕(3年)は「これまでもテスト期間中に全体練習はなかったし、自主トレは慣れていた。いろんな大会が中止になったのは残念だったが、全員が勝つことだけを考えて行動していた」と振り返る。新名を中心にメールやSNSで自主練習の内容や、体力強化の参考になりそうな動画を見つけては共有した。筋肉量、体重が増えたのは平田だけではない。全体練習再開時には、ほとんどの選手が3、4㌔増量していた。
「死に物狂いの3年生を見届けよう」と語った安東和樹監督
昨秋の九州地区高校野球大会県予選ではベスト8に終わり、再起を誓った。新名と木村駿太朗(3年)の投手2枚看板を中心に守りの野球は健在だが、得点力が課題であった。チーム打撃や走塁など綿密に磨き、体がひと回り大きくなったことで「スイングスピードが上がり、バッティングに期待できる。大会までの期間に自力を上げ、2−0、3−0で勝てるチームにしたい」と安東監督。
野球に“飢えていた”部員はグラウンドで練習できる喜びにあふれている。津崎快彦(3年)は「ボールを打つ、捕る、投げる。全てが楽しい。3年生にとっては限られた時間だからこそ、楽しみたい。優勝してもその先はないからこそ、最後まで本気で優勝を狙いたい」と言葉に力を込めた。高校最後の夏に思いをぶつける。
「優勝が目標」と話す新名凌馬
(柚野真也)