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「負けたままでは終われない。優勝しか考えていない」 大分商業高校野球部 

「負けたままでは終われない。優勝しか考えていない」 大分商業高校野球部 

 県高野連は、中止となった全国高校野球選手権大分大会の代替大会として「2020県高校野球大会」を7月14日から開催することを決定した。3年生の部員にとって集大成の場ができたことに対し、春のセンバツ出場が決定したが大会が中止となった大分商業の渡辺正雄監督は「光が見えた。これまで1試合もできていないが、3年生はしっかりと準備してきた。これまでの思いをグラウンドで発揮してほしい」と開催を喜んだ。

 

 春夏通算21回出場を誇る古豪は、新チームになり、昨秋の九州大会予選と九州大会の準優勝という結果を残したが、唯一負けたのが明豊だ。選手はリベンジに燃え、渡辺監督は「打倒明豊」を掲げる。大会日程が決まり、組み合わせは決まっていないが、第1シード候補の明豊とは互いに決勝まで勝ち上がらないと対戦できそうもない。「このまま負けて終わるなんて考えていない。選手の士気も上がっているし、試合を逆算してチームをつくっていきたい」と渡辺監督。来週末の紅白戦を経て、対外試合を通して実戦感覚を養うために急ピッチで調整する考えだ。

代替大会が決まり「光が見えた」と語った渡辺正雄監督

 キャプテンの川瀬堅斗(3年)は、「センバツが中止になってからもモチベーションを下げずにできている。これまで劇的な勝利が多かったが、最後も自分たちらしい野球をしたい。しっかり準備をして、応援してくれた方々に感謝の思いを届けたい」と決意を口にした。本格右腕としてプロ野球のスカウトからの注目が集まる逸材だ。エースとしてチームを優勝に導くとともに「大会では150㌔を投げたい」と意気込みを語った。

 

 高校野球の最後を飾る舞台が実現する。県独自の大会ではあるが、選手は試合ができる喜びを感じている。「練習中の声出しでわかる」と渡辺監督。「3年生はひたすら前を向いて突き進んできた学年。限られた時間を有意義に過ごしてくれると思うし、下級生にその背中を見せつけてほしい」と語る。川瀬の「優勝しか考えていない。笑って終わりたい」との言葉は3年生全員の思いだろう。

今大会注目の右腕・川瀬堅斗

 

 

(柚野真也)