
珠玉の一枚 Vol.41 【大分県】
その他
新型コロナウイルスの感染拡大で春から全国各地の高校大会で中止が相次ぎ、今夏の全国高校総合体育大会(インターハイ)の中止が決まった。3年生は一度も試合を行う機会のないまま部活動を引退する可能性がある。ヒーローとなるはずだった3年生は“今”どんな思いを胸に抱いているのか。
大分舞鶴高校テニス部
昨春の全国高校選抜大会で3位となり、そこから経験と自信が備わり、悲願の日本一に向けて心技体が整った矢先の新型コロナウイルスの感染拡大による大会中止。追い打ちをかけるように全国高校総合体育大会(インターハイ)の中止が決まり、戦わずして日本一の夢が途絶えた。
大園洋平監督は「この1年間、本気で日本一を狙っていた。それだけの選手がいたし、手応えもあった。本当に残念」と悔しさを隠さなかった。もちろん選手の思いも同じだ。井上亜希斗(3年)は「気持ちを切り替えられたわけではない。3年間このためにやったのでショックは大きい。正直、悔しい」と話し、鈴木蒼平(3年)は「自分たちの代で絶対日本一を取るという気持ちでやってきたので残念」と語った。
久しぶりの顔合わせとなり練習が再開
インターハイの中止が決まった直後、大園監督は電話やSNSを使って3年生と連絡を取ろうとしたが「僕自身、心の整理がつかなかったし、アイツらが頑張ってきた姿を見ていたから何て声をかけたらいいかわからなかった」。分散登校が始まり、昼食の時間を利用して3年生と一緒にご飯を食べた。これまで積み重ねてきたことや今後の将来のことについて、できるだけ明るく話したが、ある選手から「今も全国選抜やインターハイに出た夢を見る」と聞いたときは言葉に詰まった。
今も気持ちが吹っ切れたわけではないが、キャプテンの太田翔(3年)が「国体があるかもしれないし、大学でもテニスを続けるので、そこにつながる練習をしたい」と話すように、それぞれが目標を見つけて再始動した。部活動休止の間に使用しなかったコートはコケが生えていたが、今は活気とともに消えている。
気持ちを切り替え再スタートを切った
(柚野真也)
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