
音に心を込めて飛躍の年に 別府翔青高校吹奏楽部 【大分県】
カルチャー
佐伯豊南高校工業部の快進撃が止まらない。昨年末に福島県で開催された「高校生ロボット相撲全国大会」の自立型部門で全国優勝を果たし、前人未到の3連覇を達成した。
自立型部門とは、あらかじめ組み込まれたプログラムによって自律的に動くロボットが土俵上で競い合う高度な競技である。全国から強豪校が集まる中、初戦から綿密な対応が求められたが、蓄積してきた経験と技術力で頂点をつかんだ。
決勝戦では、佐伯豊南高校の2チームが対戦するという、前例の少ない展開となった。全国の頂点を争う舞台で同じ学校同士が競い合うこと自体が異例であり、その完成度と選手層の厚さを印象づけるものだった。結果はワンツーフィニッシュ。全国の強豪を退けてのこの成果は、技術だけでなく日頃の取り組みと結束力の賜物である。
「2回戦では、世界大会で準優勝したチームと対戦した。簡単な試合は一つもなく、特にその一戦は非常に厳しいものだった」と語るのは、顧問であり、ロボット相撲界の第一人者として知られる松永芳史教諭。「連覇中という自負が、部員たちに“絶対に負けられない”という強い気持ちを生んだ」。プレッシャーの中で、技術と精神力を発揮して勝ち上がった大会を振り返る。
松永教諭の指導は、単なる技術の伝授にとどまらない。「本校は、卒業後すぐに社会に出る生徒が多い。だからこそ、技術だけでなく、人間性の成長も重視している。いろいろな個性や事情を持つ生徒たちに、どう生きるかを考えるヒントを伝えていきたい」。その言葉通り、生徒一人一人に寄り添い、信頼関係を大切にする姿勢が、部全体の結束力とチームワークを支えている。
大会では、思わぬトラブルが起きることもある。だからこそ日々の活動の中で、自分たちのロボットを深く知ることで対応力も高まると話すのはチームリーダーの神崎凜人(2年)。「自立型はプログラムがすべて。相手の動きを予想して組み上げることは本当に難しいが、成功した時は大きな達成感がある」
今年の目標は「4連覇」。かつて誰も成し遂げたことのない高みを目指し、日々の鍛錬を重ねている。先輩たちが築いてきた技術と精神を受け継ぎながら、次なる挑戦に向けて歩みは止まらない。
(塩月なつみ)
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