
大分トリニータ 責任背負い挑む吉田真那斗の夏 【大分県】
サッカー
188㌢・72㌔、モデルのように手足が長く、希少価値の高い左利きはU-19日本代表。“高校屈指”のDFとして鳴り物入りで加入した高橋祐翔は、数々の肩書き、形容詞があり、クラブとしては日本代表となった森重真人や金崎夢生らと同じ部活動出身の高卒ルーキーとなる。いやが応にも期待は高まるが、本人は至って冷静だ。「現時点で自分の力のなさを感じている。気が重くなるほどのプレッシャーを感じるまでに至っていない」と自分の立ち位置を的確に感じ取っている。
課題も明確だ。「フィジカル全般を高めること」。昨年は部活動の休みの合間を利用して大分に来ては、練習参加してプロの水に慣れた。「年代が同じ選手にはアジリティ(敏しょう性)の差を感じたことがなかったけど、ここでは1歩目のスピード、切り返しの速さに全くついていけなかった」。さらに1月にプロとしてチームに合流してからは、練習参加していた頃と異なり「フィジカルコンタクトの部分で(周りの選手の)遠慮がなくなってパワー不足を感じた」。
プロの水に慣れてきた高橋祐翔
フィジカル以上に頭を悩ますのが戦術だ。高校時代は堅守速攻、走って蹴ることが基本だったが、「180度サッカーが変わった。これまで、指示通りに正確に動くことしか考えていなかったが、自分で判断して、全体で試合を組み立てなければいけない。毎日、頭がパンクしそうだった」とプロの壁を痛感した。しかし、木っ端みじんにたたきのめされたからこそ修復も早い。このあり余る時間に「ゼロから頭を整理して、体もつくれている」と、詰め込んだ情報を細かくそしゃくし、血となり骨としている。
食事改善で体重は増量し、体は一回り大きくなった。戦術は実践しなければ判断できないこともあるが、机上では理解できた。また、考える時間が多くなったことで目標が明確になった。「焦りは禁物だが、ゆっくりしていられない。1年目であってもリーグ再開後は連戦が続くのでチャンスはくる。身長の高さと左利きであることを武器としたい。アピールして、1試合でも多く出たい」と、心と体を整え準備している。
練習再開後は「猛烈にアピールする」と語った
(柚野真也)
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