国スポ 期待高まるチーム大分 今年も千点以上目指す 【大分県】
その他
大分の高校生の“今”を伝える 最高の手本と過ごす貴重な時間 ウインドサーフィン 穴見賢太(国東高校1年)
国内の大会は軒並みに中止となり、次はいつ、どの大会が開催されるかは未定だ。練習も大手を振ってできないが、限られた時間で細心の注意を払って“水面を滑る”。穴見賢太(国東高校1年)は、ウインドサーフィンのプロ資格を持つ父・和彦さんとトッププロとして世界を転戦する兄・知典さんと練習を重ねている。
ウインドサーフィンとの出会いは必然だった。幼い頃から海が遊び場で、父と兄が練習する姿を見て育った。母も県民体育大会で優勝したことのあるウインドサーフィン一家だ。小学校に入学する頃にはセイルの張ったボードに乗っていた。乗れば乗るほど、めきめきと実力をつけ、出場した小学生、中学生の全国選手権で日本一になる。昨年は17歳以下の日本代表として世界選手権に出場し、年齢制限なしの全日本アマチュア選手権で準優勝するなど、成長速度が緩むことはない。
トッププロとして活躍する兄との練習は貴重
小学3年から本格的に競技を始めて8年目。日本の第一線で世界と戦う8つ年上の兄を目標としてきた。コロナウイルスの感染拡大でプロツアーが休止し、帰郷した兄としばらくの間、一緒に過ごす時間は貴重だ。世界と対峙するプロの何気ない言葉に大きな刺激をもらい、風の揚力を生かして波の斜面を下り、効率よく加速する兄のライディングを見て、技術を盗もうと必死だ。「一緒に練習できることがありがたい」と兄の後を追う。
現時点ではスピードもテクニックも兄と大きな差があるが、「パリ・オリンピックではライバルとして戦いたい」と宣戦布告。和彦さんは「知典が高校1年の時と比べると、中学ですでに世界選手権を経験している。その実力、経験は知典も認めている。お互いが刺激し合える存在になってほしい」と期待を寄せる。賢太は「今後の大会はどうなるか分からないけど、今はすごくいい環境で練習ができている。兄ちゃんと練習できる時間を大切にしたい」と前向きだ。憧れの存在からライバルになることを思い描くことが今、何より大きな原動力になっている。
パリ・オリンピック出場を目指す穴見賢太
(柚野真也)