バサジィ大分 つかんだ初勝利 走って守って決めた 【大分県】
フットサル
2020ルーキーファイル(バサジィ) 大型GK山中勇輝がトップ昇格
伊藤雅範監督が視察した第34回全国選抜フットサル大会で、神奈川県選抜のG Kとして出場していた山中勇輝は指揮官の目に留まった。トップチームの契約にまでは至らなかったが、山中は「Fリーグに挑戦する近道は下部組織で力をつけるしかない」との思いが強くなり、翌年の2019年4月にバサジィ大分のサテライト(下部組織)に加入した。
あれから1年。午前中はトップチームの練習に参加し、昼間はスポーツショップで働き、夕方からサテライトで練習する毎日を繰り返した。サテライトでは力の違いを見せつけることはできたが、「トップのレベルは高かった」と山中。調子に乗っていたわけではないが伸びた鼻をポキッと折られた。「全ての歯車が狂い、サテライトのチームにもフィットしなくなった」
サテライトで経験を積んだ山中勇輝
環境が変わり、生活リズムも変わり、ストレスも増えた。それでも「自分にはフットサルしかない」と踏ん張り、年下の選手が多いサテライトでは接し方を変えチームに溶け込むように努力し、これまで意識の低かった個人戦術やチーム戦術を徹底的にたたき込んだ。2、3カ月もがき苦しんだが、努力は実った。夏場以降はパフォーマンスが向上し、トップチームの練習でもセービングやスローイングで通用する部分が明確になった。トップチームの編成でGKの数が足りない理由もあったが、今年2月末にトップチーム昇格の内定を受け、4月から正式に加入することになった。
山中は「まだFリーグで通用する実力に達していないと思っている。スタートラインに立っただけ。足もとの技術を高め、得意のスローイングを磨きたい」と、自分の立ち位置を冷静に分析する。それでも身長185㌢、体重76㌔の恵まれた体型は大きなアドバンテージだ。サテライトの吉武茂郎コーチは、「荒削りだがGKとしての素材はいいものを持っている。これからは自分の意識次第。どれだけ成長するか楽しみ」と後押しする。正GKの矢沢大夢が長期離脱から復帰し、レギュラーの座は不動だが、強いメンタリティーを持って日々努力を続け、まずはベンチ入りを目指したい。
一日でも早く試合に出たいと意気込む
(柚野真也)