国スポ 期待高まるチーム大分 今年も千点以上目指す 【大分県】
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今こそ“家メシ力”⑤ ブカツ生・クラブ生を支える理想の食生活【ウエイトコントロール型】
スポーツでは競技や種目によって使う筋力も求められる能力も異なる。当然、体をつくり、エネルギーの源となる食も変わる。第5回は新体操など、審美系競技のウエイトコントロール型の食事メニューを紹介する。
女性アスリートの健康管理において、「女性アスリートの三主徴」と呼ばれる①利用可能なエネルギー量の不足、②視床下部性無月経、③骨粗しょう症が問題点となっている。特にウエイトコントロールを強いられる競技は、カロリー制限するなかで運動量に見合った食事をしないとエネルギー不足となり、貧血をはじめ疲労骨折などのけがにも影響を及ぼすため、食材を上手に選び、調理方法の選択でエネルギーを調整することが必要となる。
審美系競技など「魅せる」競技において、体を奇麗にみせるための体重コントロールやトレーニングの強度、頻度などの調整には気をつけなければならない。正しい減量とは、「単に食事制限をするのではなく、ベストコンディションでベストパフォーマンスができるように、筋肉量を落とさず体脂肪率を下げていくこと」と話すのは公認スポーツ栄養士の銅城順子さん。
減量によるストレスを回避し、食べるタイミングや量、質を考えながら上手に取り入れることで長期的な減量を成功させたい。そのためには「バランスの良い食事の基本型」を整え、余分な脂質・糖質を減らし栄養密度を高めることがポイントになる。銅城さんは「無理なく続けることが求められることから、低カロリーでも満足感のあるものを選ぼう」と話す。
ウエイトコントロール型メニューの特徴
特に意識して取りたい栄養素は、たんぱく質・鉄・カルシウムを中心にビタミンB群(疲労回復のため)、ビタミンC(鉄の吸収やコラーゲン生成のため)となる。
・主食のご飯は3食とも、ビタミンB1など5種類のビタミンと鉄を強化するための強化米入り。夕食では雑穀米をプラスして疲労回復のためのビタミン・ミネラル類をさらに強化した。主食量(1食の分量)はこれまでの競技分類型に比べて少ないが、主菜、副菜によりたんぱく質やビタミン・ミネラル類(ベータカロテン・ビタミンC・カルシウム・鉄)は十分に補給する。
・弁当の生姜焼きは低脂肪・高たんぱくを意識し「もも肉」を使用。
・鉄やカルシウムの多いヒジキは一般的な煮物ではなく、カレー粉で味に変化をつけ洋風に。また枝豆やパプリカで彩りを加え、食欲を促すだけでなくたんぱく質や鉄・ベータカロテン・ビタミンC・ビタミンE・食物繊維などの栄養をしっかり強化した。
・夕食では鉄を多く含むマグロ(赤身)をムニエル風に焼いた後、カリカリにいってハーブの風味をつけたパン粉をまぶすことでサクサク感を出し、カロリーを抑える。赤身のマグロにはBCAA(分岐鎖アミノ酸)が多く含まれ、筋肉痛や疲労回復にも効果が期待できる。
・切り干し大根は生の大根と比べて桁違いに栄養価が豊富といわれる。カルシウム・鉄・ビタミンB1・B2・食物繊維が多く、歯ごたえのあるサラダに使用し、よくかむことで満腹感を誘う。マヨネーズもカロリーハーフタイプを使用してカロリーを抑える。
・ミルクスープのシーフードミックスは鉄が多いアサリを多めにし、野菜やきのこ類を加えて具だくさんの「食べるスープ」とした。低脂肪牛乳で脂質を抑え、たんぱく質やカルシウムは多めに補給できる。
・補食には鉄の多い干しプルーンや低脂肪・高タンパク質のヨーグルトを使用。
・今回の調理方法については、「揚げる」料理は使用せず「焼く」・「煮る」・「あえる」などを中心にカロリーを抑えた。
朝食
ご飯・みそ汁・目玉焼き・ごま和え・いちご・低脂肪乳
昼食
ご飯・豚生姜焼き・ヒジキと枝豆のカレー煮・あえ物・添え・キウイ・牛乳
夕食
ご飯・マグロのハーブパン粉焼き・切干大根サラダ・ミルクスープ・ネーブル
補食(練習前)
干しプルーン・バナナ
補食(練習後)
ヨーグルト・みかんジュース
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材料
栄養量・エネルギー比
監修:大分県栄養士会 大分県スポーツ栄養研究会