
県高校総体 バレーボール男子 仲間との絆で栄冠をつかんだ大分南 【大分県】
バレー
今季も存在感を示した大分三好ヴァイセアドラーの勝将哉。バレーボール選手としては決して大きくない182㌢の体をフル稼働してコートに立ち、V1リーグ残留に貢献した。スパイク、レシーブ、サーブなど全てにおいて高水準でプレーするオールラウンダーは、今季はチームの編成上サーブカットの役割を担うことが多かったが、安定したサーブレシーブで大崩れすることなくシーズンを完結した。小川貴史監督は、「プレーの安定感はチーム一。昨シーズンもフル稼働でリーグを経験したことで大きく成長した。言葉数は少ないがリーダーシップを発揮し、チームを引っ張る存在になった」とプレーだけでなく内面の成長を褒める。
近畿大学を卒業し、大分三好に加入して4年目。若いチームの中堅となり、主軸としての責任感は強くなった。シーズン前は左脛(すね)疲労骨折が完治せず、コンディションを見極めながらの調整が続いたが、弱音を見せることはなかった。スピードを武器とする勝にとって大きな痛手であったが、バレーボールIQの高さを駆使し、相手のブロックを見てスパイクを打ち分け、サーブ、スパイクの軌道を読む能力を磨いた。体に負担の少ないプレーでリーグ戦を乗り切った勝は「今季からメインとなったサーブカットが乱れ、序盤戦は苦戦したが、自分で考え、頭を使うことで粘り強いプレーができるようになった」と、けがの影響については一切触れず、「チームとしては勝利数が3つと少なかったが、フルセットに持ち込む試合が増えたことは収穫」と振り返る。
今季はサーブカットの役割を担うことが多かった
リーグ戦終了後は5月の黒鷲旗全日本男女選抜大会に向けてフィジカル強化に励んでいる。勝は「天皇杯・皇后杯全日本選手権大会が中止となり、黒鷲旗もどうなるかわからない状況だけど、この時期に普段できない体づくりや体力アップを積極的に取り入れたい。特にフルセット戦える体力があれば、昨シーズンの勝利数は伸びていたと思っているので、そこは意識してトレーニングをしたい」と語る。
練習、試合、休息をサイクルとして、フィジカル・メンタルコンディションを維持する選手にとって、試合が欠けると調整の難しさはある。それでも「いいパフォーマンスを見せられるように、練習のための練習にしたくはない」とは全選手共通の思いだろう。練習場を包むのは悲壮感ではなく活気。「ピンチをチャンスに」と勝は自分自身の課題に向き合いトレーニングを続けている。
体力強化を掲げる勝将哉
(柚野真也)
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