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春の高校バレー 目標の初勝利を成し遂げた大分南

春の高校バレー 目標の初勝利を成し遂げた大分南

第72回全日本バレーボール高校選手権大会

1回戦 大分南2–1早稲田実業(東京)

2回戦 大分南0–2松本国際(長野)

 

 敗者は清々しかった。全日本バレーボール高校選手権大会(春の高校バレー)に初出場した大分南は、2回戦で昨夏の全国高校総体覇者を相手に持てる力を出し切った。柿原茂徳監督は「負けてこんなことを言うのもなんだがスッキリしている。ブロックに飛んでもボール3個分上から(スパイクを)打ってくる相手によく戦った」と選手を称えた。

 

 今大会、初出場は大分南を含めた2校のみ。初戦の早稲田実業(東京)では、大舞台の緊張は微塵も感じられなかった。衛藤真渡(3年)が「自分たちが勝るものは気持ち」と話したように、サーブで崩して、守備からリズムをつくる普段通りのプレーを随所に見せた。相手がミスで崩れるのを傍目に春の高校バレーデビューとは思えないほど動きの良さが際立ち、最初のセットを取る。第2セットは勝ちたい思いが焦りとなり失うものの、第3セットでは勝負所で衛藤、城井隆匡(2年)両エースのサーブやスパイクが冴え、目標としていた全国初勝利を勝ち取った。

 

夏の王者相手に善戦した大分南

 

 勢いそのままに2回戦も全員がアグレッシブに動き、相手の高いスパイクに食らいつく。「試合前からみんなの気持ちが高く、攻めていこうと話した」とキャプテンの森田元希(3年)。初戦で効果的だったサーブは拾われ、リズムをつかめなかったが、我慢強く自分たちの流れが来ることを信じた。ただ、相手はエースを軸に得点を積み重ね、隙を与えることなくじわりじわりと得点を引き離した。森田は「速さ、精度、粘り強さ、全てで相手が上だった」と認めたが、狙い通りのプレーができた自負もあった。「相手のDVDを繰り返し見て、サーブ、スパイク、ブロックの跳ね返りをフォローする位置も頭にたたき込んだ」と、対戦相手を研究し、対策を練り、自分たちの長所を出して勝利の活路を見いだす。1年の頃から積み重ねてきたことだ。意図した攻撃、守備が形になった手応えは、監督や選手たちの笑顔から十分伝わった。試合後は誰一人涙することはなかった。「春の高校バレーに出場することを目標にしてきた。やれることは全てやったし、1勝することもできた」と胸を張った。

 

 「何が通用して、何が通用しなかったのかは、これから考えたい。自分たちと同じような身長だったが、体の使い方、うまさが違った。でも、この差は練習で埋めることができると思う。来年もここに来たい思いが強くなった」と城井。県予選では長らく苦戦の日々が続いたが、憧れの舞台に立ったことで、自信と次なる目標が明確になった。「先輩たちが突破した壁の上をいきたい」。新チームとなり新たなスタートを切る。

 

森田元希を中心に守備からリズムをつくった

 

(柚野真也)