
県高校総体 バレーボール男子 仲間との絆で栄冠をつかんだ大分南 【大分県】
バレー
①サーブで揺さぶる
②相手の嫌がるプレーに徹する
③受け身にならない
初めて経験する大舞台。高校バレーボールを志す者なら誰もが憧れる春の高校バレー(全日本高校選手権大会)。小・中学で全国大会の舞台を何度も経験したことのある森田元希(3年)でさえ、「これまで経験したインターハイ(全国高校総体)などと違う。規模も注目度も桁違い」と話す。それでも落ち着いた表情を見せるのは、劣勢な状況でも何度もはい上がり、ようやく目標にたどり着いた自信があるからだ。
柿原茂徳監督は「高校生の試合で絶対はない。(春の高校バレー)県予選でウチは絶対的な不利な状況でもひっくり返した。力の差が4:6、3:7であっても勝機はある。自分たちのやってきたことを信じてプレーできるか。そこに尽きる」と全国大会でも臆する様子はない。180㌢を超える選手のいない小兵軍団だが、相手の弱点を洗い出し、ロングサーブやフローターサーブで揺さぶる。攻撃では読みを生かしてコースを狙い、軟打を織りまぜるスタイルを確立した。
夏場はけが人が多く、1人が複数のポジションを経験したことでプレーの幅が広がった。「けがの功名」と柿原監督は苦笑いするが、対戦相手や戦況により、戦術的な配置変更ができるのはチームの長所だ。夢舞台に向けて、指揮官は「僕が何も言わなくても気持ちは高ぶるし、最高のパフォーマンスを見せてくれるはず」と見守るが、ユニフォームやベンチコートなど一式を新調し、選手のモチベーションを上げている。目標は謙虚に1勝だが、監督も選手もしたたかに上位を狙っている。
初の春の高校バレーでまずは1勝を狙う
森田元希(3年)、2001年9月11日生まれ、170cm、60kg、別府朝日中学校出身
全国大会での戦歴は輝かしい。小学6年で全国3位、中学2年でベスト16を経験している。高校で全国大会での実績のない大分南に入学したのは、柿原監督を慕ってだ。「大分南で新しい歴史をつくりたいと思った」と有言実行。高校2年で全国高校総体に出場し、バレーボールを初めた頃から憧れた春の高校バレーの出場権を得た。どちらも同校初の快挙だ。
守備の要であるリベロとして、安定感のあるプレーでチームを支える。柿原監督は「反応速度がピカイチで、小さい頃から全国大会を経験し、読みも素晴らしいものがある。第2の監督」と絶大な信頼を寄せる。
大一番を控え森田は冷静だ。「県代表として恥じることのないプレーをしたい。初めてで緊張もするだろうが受け身にならず、相手の攻撃を絞って、守り勝つ。高さはないがミラクルを起こす」。笑顔の奥に自信がみなぎっている。
(柚野真也)
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