バサジィ大分 つかんだ初勝利 走って守って決めた 【大分県】
フットサル
2020注目選手 仁部屋和弘(バサジィ大分)「アジアNo.1選手になる準備はできている」
今季は充実したシーズンを終えようとしている。バサジィ大分の仁部屋和弘は、「今年はプレーオフ進出をチームの目標としてきた。(リーグ戦4試合を残して)結果を出せたことは良かった」と振り返る。チーム始動から動きが良く、「今季の仁部屋は注目してほしい」と伊藤雅範監督はエースに全幅の信頼を寄せていた。
「以前から持っていた力を発揮したに過ぎない」と本人は言うが、いずれにせよ、仁部屋の活躍は特筆すべきものだった。開幕戦で2得点を挙げ、チームに6連勝の勢いをもたらした。ここまで29試合に出場し日本人トップタイの20得点を記録する。得点数もさることながら、観客を魅了するテクニックも存分に発揮している。不意を突くタイミングでのパスや難しい局面で見せる高い決定力、相手をあざ笑うかのような卓越した足技は見ていて痛快だ。
こうした活躍を見せる仁部屋に、日本代表監督のブルーノ・ガルシア監督は、「まずはアジアNo.1選手であることを証明してほしい」と注文。来年2月にあるワールドカップアジア予選を兼ねたAFCフットサル選手権トルクメニスタン2020で日本代表を優勝に導くだけでなく、絶対的エースとしてチームが窮地に追い込まれたときに“違いを出せる選手”になることを望んでいる。仁部屋は「アジアNo.1選手になるために計画的に体をつくっているし、成長できている実感もある。することは変わらないし、気持ちも安定しているし一喜一憂することもない。毎日が勝負という思いで、集中して練習ができている」と話す。
バサジィでも、日本代表でも指揮官から高い評価を得ている理由としては、高い技術と豊富なアイデアを持ち、どのポジションもこなせるユーティリティー(機能性)も備えていることが挙げられる。さらに、年齢的にも32歳と成熟期を迎え、心身共に安定していることもあるだろう。
本人は向上心が高く、常に理想とするプレーを追いかけている。所属チームと日本代表を掛け持ち、「監督、チームに求められること以上のプレーをしたい」と来年も全力で駆け抜ける覚悟だ。まずはバサジィでクラブ初となる優勝を目指す。「課題は多いが守備が安定している。リーグ戦とプレーオフとでは1点の重みが違う。先制点を取れば勝てる確率がグッと高くなる。僕が得点すれば勝てると思っている。バサジィでの僕の役割は得点が全てなので、そこに集中したい」と優勝への思いを語り、日本代表に対しては、「前回のワールドカップ出場を逃した責任を感じている。この4年間でレベルアップした自分を示したいし、試したい」と貪欲な姿勢を強調する。来年の仁部屋にも目が離せない。
常にトップを目指す仁部屋和弘
(柚野真也)