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ヴァイセアドラー 前半戦総括&後半戦の強化プラン 求められる攻撃の決定力

ヴァイセアドラー 前半戦総括&後半戦の強化プラン 求められる攻撃の決定力

 Vリーグ男子1部が折り返しに達した。大分三好ヴァイセアドラーは2勝12敗で10チーム中9位と苦戦している。これまでの試合を振り返り、後半戦に向けていかなる修正を必要としているのか―。今回は前半戦を総括し、そこで浮かび上がったウイークポイントをもとに、上昇のプランを探った。

 

 これまで12敗しているが、全く歯が立たなかったわけではない。むしろ互角以上の戦いを演じたことも多く、昨季とは負け方が違う。しかし、フルセット持たない。内容は悪くなくても、終わってみれば敗戦…。それを繰り返した前半戦だった。要因はいくつかあるが、特にセット終盤になると、慌ててしまって対応力を欠き、あっけなく失点する場面が目立った。

 

 シーズン序盤に新外国人選手エビス・ムタバジがけがで長期離脱したのも痛かった。復帰のめどが立たず、急きょ、昨季までのエースであったヤカン・グマを呼び戻し戦力を整えたが、他の選手とのコンディションの差は大きく、本調子までもう少し時間がかかりそうだ。ただ、もう一人の助っ人外国人選手のブライアン・バグナスがすぐにチームにフィットし、得点源として十分な活躍をしているのは好材料。フィリピンリーグでMVPを取ったことのある万能型のエースは、サーブ、スパイク、レシーブの全てがハイレベルで、現在V1リーグ総得点で12位にランキングされている。実績のあるヤカンとバグナスの2枚看板を有効活用できれば、チームは上昇気流に近づくはずだ。バグナス本人も、「まだまだ改善できる部分がある。コミュニケーションが深まればレベルアップできる」と感じている。

 

得点源となったブライアン・バグナス

 彼らに気持ちよくスパイクを打たせるようにトスを上げるセッターがカギを握る。藤岡諒馬は巧みなトスワークでコートの幅を広く使い、相手に的を絞らせない。もう一人のセッター田尻信太郎は新加入の選手だが、流れを変えたい場面で投入され、安定感のあるトスで試合を味付けできる。レベルが拮抗するセッターの存在は、今後も組み合わせ次第で大きな武器となるはず。

 

 今季はミドルブロッカーに高さとスピードも加わった。昨季からブロックとレシーブを連携したシステムが形となっており、組織力とともに狙いを定め、徹底できることが重要となる。小川貴史監督は、「試合の入り、1セット目を取るかどうかで流れができる。(相手チームがサーブを打ったときにポイントを取り返す)サイドアウト獲得率を上げたい。そのために連係を強化しフィニッシュの精度にこだわりたい」と話す。

 

 2人の外国人選手には、「どんな球がきても決め切るのがエース。大事な場面で信頼してトスが上げられる選手になってほしい」(小川監督)と強く求める。さらに攻撃力を高めるべく、技術が高く、決定力を備える勝将哉や爆発力のある浜本豊ら日本人スパイカーの奮起を促す。彼らが目立つようになればチームは底上げされ、後半戦に向けて期待が膨らむ。

 

後半戦は浜本豊ら日本人選手の活躍が必至

 

(柚野真也)