
【指導者の肖像〜高校スポーツを支える魂〜】 信じる力が未来を変えていく 柳ケ浦高校バスケットボール部監督・中村誠(前編)
バスケ
①ベスト8へチャレンジ
②有終の美を飾る
③全国経験を次代につなげる
“県内”では敵なし。新チームになって公式戦では無敗の中津北。全国高校バスケットボール選手権大会(ウインターカップ)県予選でも圧勝だった。大津留礎監督が「全国ベスト8を目標にチームをつくってきた」と胸を張るチームは、集大成を迎えようとしている。全国舞台に向けて九州の強豪校と練習試合を重ね、最終調整に入っている。
平均身長はウインターカップ出場校の中で最も低いグループに入るが、伝統の地上戦で勝機を見いだす。伝家の宝刀“オールコートゾーンプレス”はバリエーションが多く、対戦相手や試合状況に応じて使い分ける。6月の県高校総体後の全九州体育大会ではベスト4。全国高校総体では2回戦で敗退したが“県外”で通用することを証明した。
結果を出し続けることで3年生を中心に自信をつけた。「強豪校に名前負けすることはなくなった。勝ちたい思いはどこにも負けない。がむしゃらにボールを追いかけたい」とキャプテンの工藤佑美(3年)。チームには、相手を無駄に意識することなく、「自分たちのバスケを貫く」という一本の太い芯がある。
不安があるとすれば戸高千怜(3年)の離脱である。11月の練習試合で負傷し、大会までの復帰は絶望的な状況だ。「まだ気持ちは整理できていないけど、3年間きついことを乗り越えた3年生にはベスト8に入ってほしい」と思いを託す。チーム一番のバスケットボールIQを持ち、「勝ち方を知っている選手。彼女の抜けた穴は大きい」(大津留監督)。
ただ、これまでも苦難を乗り越え、その度に結束力を高めてきたチームである。「1人でなく全員で千怜の穴をカバーすればいい」(工藤)、「一緒に頑張ってきた仲間。千怜の分までという気持ちは強くなった」(和工田乃愛・3年)。ウインターカップに向け、一丸となるきっかけとしたい。
チーム一丸となって8強入りを目指す
森田月海(3年)
シューティングガード、2002年1月24日生まれ、159cm、別府青山中学校出身
頼りになるエースは高校最後の大会に向けて静かに闘志を燃やす。大津留監督が「天才肌の選手」と絶賛する逸材だ。スピードやシュート力など能力が高く、パス感覚に秀でるものがある。自ら点を取ることもできれば、パスで味方の得点を引き出すこともできる。
マイペースな性格で闘志を前面に押し出すタイプでないが、「勝負所では自分が得点してチームの勝利に貢献したい。速い展開のバスケができれば自分たちのリズムになる」と気合は十分。
バスケットボールから離れた空白の時間もあったからこそ、「このチームでバスケができる最後の大会。悔いは残したくない。残りの時間を楽しみたい」との思いは誰よりも強い。
(柚野真也)
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