
【指導者の肖像〜高校スポーツを支える魂〜】 信じる力が未来を変えていく 柳ケ浦高校バスケットボール部監督・中村誠(前編)
バスケ
①チームメートを信頼し、大人なプレー
②丁寧で質の高いプレー
③「これから伝統をつくる」という意識
2度目の全国高校バスケットボール選手権大会(ウインターカップ)出場を決めた別府溝部学園。あれから約2カ月、本番に向けて、一日一日を大切にしながら練習に励んでいる。初出場となった昨年はとにかくがむしゃらに戦ったというが、今年は昨年の経験がある。さらに初の全国高校総体に出場したこともあり、昨年よりは少し気持ちに余裕が生まれている。
昨年は初戦に勝利し、「全国で勝てたという経験が自信につながっているはず」と末宗直柔監督。一段とチームの団結力も上がっているが、「まだまだスキルが足りない。どれだけ丁寧なプレーができるかが重要」と、全国で勝ち上がるために、パス精度の向上など基本も意識しながら練習を重ねている。
システム練習の成果も形となり“チームの約束事を守りながら自分を出す”という、個の技術とチームプレーを最大限に発揮する理想型に仕上がりつつある。県外の強豪校との練習試合も重ね、全国への準備は着々と進んでいる。
県内では他の強豪校に比べ歴史は浅いが、末宗監督は「伝統をつくりはじめているという意識を持ってほしい」と伝える。1、2年生は最後の大会に挑む先輩のため、3年生は後輩や、後に続く母校の歴史のスタートラインに立っているという意識が芽生えている。
練習ではさまざまな意識づけにより、チームワークや個々の思いは確実に強くなった。全国初戦は高さと頭脳で戦う前橋育英(群馬)と対戦する。相手の本来の力を発揮させる前に、ディフェンスの戻りを速くするなど、リズムを崩すため、スピードと体力が求められる試合になりそうだ。「全国ベスト8になってメインコートで試合をする」。目標に向けて2度目の挑戦が始まる。
ウインターカップには2年連続出場となる
久保倉拓哉(3年)
スモールフォワード、2002年3月25日生まれ、175cm、69kg、友泉中学校(福岡県)出身
ウインターカップ県予選では肩の負傷を抱えながらの出場だったが、ドライブでうまくディフェンスラインを下げ、ミドルシュートで得点を量産するなど、レベルアップした姿を見せた。
「自分では得意だと思っていなかったが、奥野コーチに褒められて…」と、4月から指導に加わった奥野功知アシスタントコーチにジャンプシュートの素質を見いだされ強化し、シュート成功率が上がっている。これまでも得意の3点シュートで逆転勝利した試合もあり、チームの頼れる存在となった。
最終学年として集大成となるウインターカップ。昨年は会場の雰囲気にのまれてしまい、思うような試合ができなかったと振り返りながら、「2回目だが挑戦者の気持ちで泥臭くプレーしたい」と意気込む。負けず嫌いな彼の活躍を期待したい。
(黒木ゆか)
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