冬の主役たち 弓道男子 切磋琢磨するライバルの挑戦(宇佐) 【大分県】
弓道
全国高校選抜大会 弓道女子 理想を追求し、ベスト8狙う大分南
全国大会に向けての3つのテーマ
①練習通りに試合に臨む
②離れを意識して行う
③チームワークを大切にする
11月に行われた全国高校選抜弓道大会県予選を兼ねた第32回県選手権で見事優勝し、全国への切符を手にいれた大分南。現在部員は2年生4人、1年生4人。久保田信輔監督は「全員が高校に入ってから弓道をはじめた。まだまだ発展途上のチーム」というが、それは伸びしろがあるということに他ならない。
団体戦に出場する2年生4人のうち2人は8月の全国高校総体に出場しており、試合経験も豊富だ。勝負強さが持ち味で、ここ一番の大勝負で実力以上の力を発揮することも多い。県予選でも重要な場面で最高の的中率をたたき出し、見事勝利をつかんだ。
全国での目標はベスト8。久保田監督は「目標を達成するために重要なのは“練習通り”にできるかどうか」と話す。勝負強いといってもやはり高校生。緊張や場の雰囲気に飲まれ、実力が出せずに終わることもある。練習では常にプレッシャーを与えながら、本番に近い状況をつくり出す。選手たちもそのプレッシャーに打ち勝とうと必死だ。
そのなかで「離れ」(弓を放つ動作)の練習には熱が入る。「本来は雨露利(うろり)の離れ(葉にたまった雨粒が膨らみ落ちるような自然体の離れ)が理想だが、高校生はそうはいかない。体、筋肉の使い方、気持ちの持っていき方など、何がベストなのか常に意識する必要がある」(久保田監督)。理想の離れを体現するには練習あるのみ。決して長いとはいえない練習時間を有効に使うため、日々、集中力を高め練習に臨んでいる。
自分との戦いというイメージが強い弓道だが、チームワークを大切にしているのも大分南の特徴だ。声を掛け合い、お互いを鼓舞し、チーム一体となって全国大会上位入賞を目指す。
チームワークでベスト8を目指す
県予選MIP
佐藤 真央(2年)
2002年8月13日生まれ、161cm、稙田南中出身
競った試合、追い詰められた場面でも動じない強い精神力を持つ。抜群の安定感を誇り、団体戦では最後に矢を放つ重要な「落ち」を任されている。県予選でも高い的中率でチームの勝利に貢献した。
キャプテンとして、落ちとして強い責任感を持つ佐藤は、「落ちとして悪い流れを断ち切れない場面が何度もあった」と満足はしていない。8月には先輩とともに全国高校総体にも出場。全国レベルを肌で感じ、力の差も知った。
「全国レベルにはまだまだ足りない」と冷静に分析しながらも、「気持ちでは絶対に負けたくない。誰かが落ち込んでいたら積極的に声を掛け、明るく、楽しく、強い気持ちで試合に臨みたい」と真っすぐな瞳で話す。目標はベスト8。キャプテンとして臨む初の大舞台へ向け気合は十分だ。
(甲斐理恵)