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トリニータ シーズン総括 旋風巻き起こし9位で終了

トリニータ シーズン総括 旋風巻き起こし9位で終了

J1リーグ戦9位 12勝11分11敗 35得点・35失点

ルヴァンカップ 予選敗退

天皇杯 準々決勝敗退

 

 J1リーグに大分旋風を巻き起こした、と言っていいだろう。開幕戦のアウェー鹿島に2-1と“金星スタート”し、7節から12節にかけて、6試合負けなしを記録するなど、一時は順位を3位まで上げた。その後、上位陣との対戦が続いた試合では、思うように勝ち点が増えずにいたが、前半戦最後の浦和戦では6試合ぶりに勝利。後半戦は4勝6分7敗と負け越したが、シーズンを通してGKからパスをつなぐ機能的なサッカーを貫徹。決定機を外すことも多く、総得点は決して多くはないが、与えたインパクトの大きさは相当なものだ。

 

 当初の目標であった「勝ち点45で残留」は、残り3試合を残してクリアできたことは特筆すべきこと。J1クラブで最弱の強化費でやり繰りし、J2で結果を残した将来性のある選手を補強。一度も降格争いに巻き込まれることなく9位でシーズンを終え、予想以上の成績を残した。片野坂知宏監督の4年目は成功と言って差し支えない。

 

チームの躍進を導いた片野坂知宏監督

 

 今季、チームはGKを含めた低い位置からパスをつないで試合を組み立てた。ミスでひやりとする場面も散見したが、丁寧なパスをベースにした主導権を握るサッカーを徹底した。中盤戦以降は相手に分析され始めたが、シーズンを通して変わらぬ戦い方を貫き、大分スタイルを確立する。「(パスを)つなぐ怖さはみんなあったと思うが、そこから逃げたらこのサッカーはできなかった。(GKの高木)駿くんを含め、後ろの選手が勇気を持ってつないでくれたのが、今季の結果につながった」と小塚和季はチームの揺るがぬ土台に自信を見せる。

 

 その思いは片野坂監督も同じだ。「積み上げたサッカーに自信はあるし、手応えを感じた。ボールを保持して、攻撃の構築は整備できた」。それでも来季、厳しい戦いになると見越したうえで、得点力が必要となる。「35得点で35失点。11の引き分けと11の敗戦を、どれだけプラスにもっていくかがポイントになる。9位をひっくり返して6位にしたい」(片野坂監督)。

 

 監督続投が早々と決まり、強化部とともに来季の編成に着手している。片野坂監督は「藤本(憲明)が抜けた前線のポジションの補強は考えているし、選手の入れ替えもある」と明かした。これまで大分で5年の長期政権に挑戦したのはシャムスカ監督と田坂和昭監督の2人だけだが、いずれもシーズン途中に解任された。「まだまだ完成形ではないし、伸びる部分は多い。J1に定着するためにやることは多い」と“5年目のジンクス”を気にする様子もない。来季はどんな戦いを見せるのか、今から楽しみは尽きない。

 

来季も活躍が期待される大分の選手たち

 

(柚野真也)