冬の主役たち 弓道男子 切磋琢磨するライバルの挑戦(宇佐) 【大分県】
弓道
全国高校選抜大会 弓道男子 浮き足立たずに予選通過を狙う中津南
全国大会に向けての3つのテーマ
①浮き足立たない
②不安をなくすための万全準備
③大前で流れをつくる
意識を高く保ち、互いの癖を修正し合い高みを目指す。2年生が最上級生となってからも、「県で優勝することを目標にするのではなく、全国でどれだけ矢を的中できるかを考えている」とキャプテンの岩金拓杜(2年)が話すように、高い目標を掲げ、練習してきた。その成果は形となり、第32回県弓道選手権の団体(3人立ち)で優勝し、全国選抜大会の出場を決めた。
県選手権の予選は最下位通過と苦しんだが、決勝リーグに入ると尻上がりに調子が上がった。河上渉監督は「ひとつ勝つごとに自信をつけた。最後の試合まで当たりが落ちなかった」と勝因を挙げる。最初に矢を射る1番手の「大前」を担った岩金が高い的中率で流れをつくった。少しの気の迷いが弓矢の操作を微妙に狂わせるが、程よい緊張感を持って、体を大きく使ったことで「いつも通りできた」(岩金)と、決勝リーグは5勝全勝で優勝を決めた。
「集中力は日頃の生活で身につくもの」との河上監督の教えを守り、部活以外の私生活から正し、毎日90分程度の練習時間で腕を磨く。部員は男女20人と少ないが、1人が的に向かう回数が増える。真っすぐ引いて、真っすぐ射る。弓を引く所作を徹底し、ブレれば互いに指摘し合うことで、的中率を高めた。
全国選抜大会では、「浮き足立たないように、安定した精神状態で臨みたい。持っている12本をいかに外さずに試合を進めることができるかがポイントになる。そのためには事前の準備を含めて不安をなくす必要がある」(河上監督)と、予選通過に向けて、万全の状態でその日を迎えることに最善を尽くす。
全国選抜では予選通過がノルマとなる
県予選MIP
岩金拓杜(2年)、2002年5月13日生まれ、168cm、55kg、宇佐西部中学出身
大前が当てるか外すかでチームの流れが大きく左右されるため、最もプレッシャーのかかる役割を担ったが、「当てれば自分も楽になるし、後ろのメンバーも楽になる。これさえ当てれば全てがうまくいくと考えたらプレッシャーはあまり感じなかった」と気負うことはなかった。
小学2年から中学3年まで続けたサッカーで体幹は強くなった。河上監督は「縦にも横にもブレず、肩甲骨を使って弓を引くことができる。先輩たちがいたときは力を出しきれていなかったが、最近は責任感が出たのか頼もしさがある」と一目を置く。
全国選抜大会でも大前を担う。岩金は「まずは最初の1本目で流れをつくり、後ろを元気付けたい」と強い思いを口にした。
(柚野真也)