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トリニータ 片野坂知宏監督インタビュー「J1定着、そこまでが恩返し」

トリニータ 片野坂知宏監督インタビュー「J1定着、そこまでが恩返し」

 今季6年ぶりのJ1での戦いは、一度も降格争いに巻き込まれることなく、4試合を残して残留を決めた。クラブは「勝つだけでなく、試合内容も良く、チームを進化させた」(西山哲平強化部長)と片野坂知宏監督の手腕を高く評価し、指揮官の続投を決めた。J1定着を命題とする片野坂監督に、続投への敬意と今後の展望、来季への決意を聞いた。

 

Q:続投が決まり一夜明け、現在の心境は?

 クラブが自分に対して非常に信頼してくれました。現場の雰囲気、成績、そして今後への期待を評価してもらいました。来年も監督ができることに感謝したいです。今後に向けては、何ができるかということを少しずつ準備したいです。ただ、まだシーズンが3試合残っていますし、今シーズンをいい形で終われるように、勝ち点50で1桁順位、できれば6位以内に入り素晴らしい成果を得れば、来季につながると思います。

 

Q:続投を決めるにあたり補強など、クラブに要求したことなどはありますか?

 要望に応えてくれたら続投をしようと決めたわけではありません。特にこうしてくれないと続投しませんという話はしていない。まずは、クラブがどういう評価で自分のことを考えて、更新を打診してくれたのか。どんな期待をしているのかを話したうえで判断しました。ただ、このクラブは予算面を含めビッグクラブではない。クラブと一緒にカバーし合いながら、予算内で身の丈にあった戦力補強、チーム強化をしなければいけないクラブだと思っています。何が何でも自分の要求が通るとは思っていないので、今後は話し合いながら決めることになると思います。

 

「来年も監督ができることに感謝したい」と語った片野坂知宏監督

Q:続投は厳しい決断だったのでは?

 ここへの就任当初から自分には目標がありました。トリニータをできるだけ早くJ1に昇格させること。そして、定着できるチームづくりを目指していました。クラブとも5カ年計画だとか、そういう(中期、長期の)目標を立てて、自分に何ができるかを考え続けました。今年はJ1で戦うことができ、残留することができました。これをもう1年、来年もJ2に落とすわけにはいかないし、その先のチャレンジ、上を目指せるチームづくりをもう一度自分がやらなければいけない。そこまでが自分の恩返しになるのではないかと思い、決断に至りました。

 

Q:チームに伸びしろを感じますか?

 まだまだあります。今年に限ってはJ1に上がり18位からのスタートでした。J2で戦った仲間、そして新しく加入した選手とチャレンジして、ある程度J1で戦える手応えは感じました。ただ、それは残留を目標としたなかでのこと。来季、残留はもちろんですが、1桁順位、Aクラス入りを狙えるようなサッカーをしたい。(それができる)選手が入ってくれば十分J1に定着できるチームができ、さらに上を狙えるチームになると思っています。

 

Q:同じチームで5年指揮するメリットとデメリットは?

 メリットはコンセプトを継続することによって戦術に立ち返ることができること。選手も戦術を理解した選手が残り、新しく選手が入ってもスムーズにチームづくりができる。デメリットは、トレーニングやサッカーのやり方もそこまで変わらないので、選手がマンネリ化したりする部分がある。来季もできるだけ選手に刺激を与えられるような取り組み、このチームがレベルアップする取り組みの準備をしたいです。

 

来季は5年目のシーズンとなる

 

 (柚野真也)