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春の高校バレー男子県予選 粘りのバレーで大分南が初栄冠

春の高校バレー男子県予選 粘りのバレーで大分南が初栄冠

第72回全日本バレーボール高校選手権大会県代表決定戦

10月26日 男子決勝 べっぷアリーナ

大分南3-1別府鶴見丘

  (27-25)

  (25-20)

  (18-25)

  (25-20)

 

 高校バレーボール界最大のタイトルである全日本高校選手権大会(春の高校バレー)の出場権を懸けた県予選男子決勝が行われた。決勝に駒を進めたのは4連覇を目指す別府鶴見丘と初優勝を狙う大分南。持ち味を発揮した大分南が激戦を制し、歓喜の涙を流した。

 

 入学してから全国高校総体に2回、春の高校バレーに2回出場した3年生が主力の別府鶴見丘は初戦から危なげなく勝ち進んだ。一方、準決勝で大分工業と接戦を繰り広げて生き残ったのが大分南。今年の県新人大会、県高校総体でも決勝で顔を合わせた両校にとって、お互いに手の内を知り尽くした非常に難しい一戦となった。探り合いからスタートした試合は、万全の対策を用意した大分南が先手を取った。

 

 「無欲の勝利」と試合後に柿原茂徳監督は語ったが、策士の言葉通りには受け取れない。準決勝で苦戦した反省を生かし、エース城井隆匡(2年)と衛藤真渡(3年)のポジションを変更。「最後は3年生の強い思いに懸けた」と、前衛には3年生が3人並ぶローテーションでスタートしたことが功を奏した。粘り強く相手の攻撃を拾い、ラリーから斎藤一真(3年)が強打を決め、相手のマークが手薄になると衛藤がレフトから効果的に得点し、リズムをつかんだ。

 

森田元希を中心に粘り強く拾い続けた

 

 一方、持ち味の攻撃力が鳴りを潜めた別府鶴見丘は、積極的にサーブで崩しにかかるがミスから得点を与える悪循環が続いた。2セットを失い、後がない第3セット。絶対王者として君臨した3年生が意地を見せたが単発に終わる。エースでキャプテンの清田晟ノ祐(3年)は、「気持ちで負けた。試合前日の練習も緩みがあり、足元をすくわれた」と振り返ったように、狂った歯車は最後までかみ合わなかった。

 

 大分南はキャプテンのリベロ森田元希(3年)を中心に守備が崩れなかった。第3セットを失った直後に森田を中心に円陣を組み、「向こうは調子が良くない。自分たちはいつもよりミスが少なく、決めるべきところでスパイクが決まっている。3セット目は自滅しただけ。自分自身のプレーに集中しよう」と呼びかけた。

 

 国体や学校の行事でチームを離れることの多かった柿原監督は、練習メニューからチームづくりまで全てを託したキャプテンを「森田監督」と呼ぶ。もつれる展開は織り込み済みだったが、森田の発破でチームの空気が変わるのを感じた。“森田監督”を中心に選手に考えさせる指導が実り、最後まで集中して、粘り強くボールを拾い続けた大分南が、初優勝を成し遂げた。

 

春の高校バレー初出場となる大分南

 

(柚野真也)