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トリニータ 残り5試合に臨むクラブの算段 来季につながる試合を

トリニータ 残り5試合に臨むクラブの算段 来季につながる試合を

 天皇杯準々決勝でヴィッセル神戸に敗れ、今季はリーグ戦5試合を残すのみとなった大分トリニータ。J1昇格初年度となる今季は開幕戦でアジア王者の鹿島アントラーズに勝利し、スタートダッシュに成功。一度も降格争いに巻き込まれることなく、中位を確保している。

 

 ただ、後半戦は3勝5分4敗と負け越している。理由は一つではないが、対戦相手に研究されたことなどが挙げられる。ボールを有効に保持できるスペースを消され、自陣深くにブロックを築く相手から得点を奪えなくなった。

 

 「得点を奪えなければ勝ち点は取れない」と常々語る片野坂知宏監督は、複数点を取れない試合が多いことが苦戦の要因と捉えている。大分を率いて4年間、結果も大事だが、自分たちがやってきたことがどれだけ表現できているかにフォーカスしてきた。

 

 勝てなかった試合でもパスをつなぎ、優位に試合を進めることもできていた。だが、一発のカウンターからの失点や、崩せているのにシュートを打たない、打てないシーンが目についた。ここからは監督どうこうというよりは選手の質が問われる部分だ。

 

J1昇格初年度で好成績の残るトリニータ

 

 天皇杯神戸戦の敗戦後に、片野坂監督は「力の差を感じた。クラブ規模も戦力も格上のチームだった。サッカーはお金(を持っているクラブが強いということ)ではない。チームとして、組織としてカバーし(格上チームを)上回れることもあるから面白いのだが、お金があったらいいなと思う」と本音を漏らした。

 

 世界的なスーパースターや日本代表選手の名前がズラリと並ぶ神戸と、J1最下位クラスのクラブ規模の大分では太刀打ちできない。それでも知恵を絞り、選手の力を最大限に引き出し、今がある。残り5試合、残留はほぼ確定した中で来季につながる新たな攻撃スタイルを模索すべく、挑戦を継続してもらいたい。

 

 試合の主導権を握り、攻撃的に試合を進め、クラブ規模の大きなチームにもひるまずにアクションスタイルを貫くことができれば、大きな自信となり、J1定着への確固たるベースが築かれるはずだ。

 

天皇杯神戸戦ではスコア以上に力の差を見せつけられた

 

(柚野真也)