
【指導者の肖像〜高校スポーツを支える魂〜】 信じる力が未来を変えていく 柳ケ浦高校バスケットボール部監督・中村誠(前編)
バスケ
基本スタイル
近年、実力が拮抗する県高校男子バスケットボール。中でも大分舞鶴は、個々の技術が非常に高く、毎試合素晴らしいプレーで観客を魅了する。“オールラウンダーがそろうチーム”という印象だが、ここ最近は全国まであと一歩のところで勝利をつかめていない。要因の一つが高さの壁。身長2㍍を超える留学生を有するチームを相手に、どうしても得点を許さざるを得ない場面も多かった。
「確かに高さ対策は意識し続けてきたが、今後はこれまで以上に“伝統的な舞鶴バスケ”で勝ちたい」と話す池田剛監督。常勝チームとして君臨し続けてきた伝統校のプレースタイルの一つは、相手のミスを誘うディフェンス。体力、精神力、技術を備えた彼らだからこそできる、最後まで手を抜かないフルコートディフェンスでターンオーバーを誘い、一瞬のチャンスも逃さずに得点を狙う。またオフェンスでは、外角からのシュート成功率の高さもチームの特徴だ。全員がどの位置からでも得点を狙え、確率も高い。それが相手に大きなプレッシャーを与えることとなり、流れを引き寄せてそのまま勝利する試合も多い。
大会に向けて調整は順調に進む
さらに、県高校総体でも見せた「組織的なバスケ」がますます確立されている。これは普段の練習から鍛えられているもので「7~8割は指導するが、残りの2~3割は選手たち自身で完結させるようにしている」という池田監督の教えが浸透している証しだろう。普段から試合を想定し、一つ一つの動きを考えながら繰り返し練習する。地道な積み重ねにより、冷静な判断と臨機応変な対応力が求められる試合でも、安定した動きと得点力が発揮されている。
「3年生のバスケIQはかなり高い。それを支える1、2年生がいかに力を発揮できるかがカギになる」(池田監督)というように、実力と経験を備えた3年生を中心に、県高校総体後はさらに成長しているという1、2年生の活躍も期待される今大会。伝統校としてのプライドを爆発させ、王者返り咲きを目指す。
伝統校のプライドを懸けた戦いが始まる
(黒木ゆか)
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