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春の高校バレー女子県予選展望 盤石の女王・東龍を追え!

春の高校バレー女子県予選展望 盤石の女王・東龍を追え!

 今年もこの季節がやってきた。第72回全日本バレーボール高校選手権大会(春の高校バレー)の県代表決定戦が19日から始まる。優勝候補は東九州龍谷(東龍)。全国高校総体では準々決勝で敗退となったが、茨城国体では準優勝し、他校を大きく引き離している。

 今夏の女子U―20世界選手権で優勝を経験したキャプテンの荒木彩花(3年)に室岡莉乃(2年)、吉田鈴奈(3年)ら世代トップレベルの選手、そして、茨城国体でも1年生が3人も決勝コートに立ち、監督交代などチームの体制変更や選手の入れ替わりによってもたついた4月と比較すれば、完成度は雲泥の差だ。「春の高校バレーの東龍は強い!」と誰もが認めるように、1年間の集大成である春の高校バレーで日本一になるために照準を合わせている。全国高校総体で挫折を経験し、国体ではある程度の手応えを得た。「次こそ日本一」との思いは強く、死角は見当たらない。

 

全国高校総体以降、完成度を高めた東龍

 

 しかし、戦う前から白旗を掲げていては、勝てるものも勝てない。第2シードの大分商業の森栄一郎監督は、「荒木、室岡ら目を見張る選手はいるが、そこにとらわれることなく隙を突くことはできる。機動力のあるバレーで“地上戦”に持ち込めば競った試合ができるはず」と話している。

 今年は20日の準決勝から26日の決勝まで中5日空く。これまでは準決勝と決勝が同日開催だったため、ガス欠の状態で東龍との対戦を余儀なくされたが、今年は十分な体力回復と対策を練る時間がある。もちろん決勝まで勝ち上がるための準備を怠っては足元をすくわれる。「試合の入り方に十分気をつけたい」(森監督)と初戦からエンジン全開で頂点を目指す。

 

 国東、臼杵のシード校も、東龍に挑戦状をたたきつける。1月の県新人大会で準優勝した臼杵は、順当に勝ち上がれば準決勝で東龍と対戦する。キャプテンの小田彩乃(3年)を筆頭に器用な選手が多く、バランスの整った陣容だ。選手全員が辻郁徳監督のバレーをよく理解しており、スパイクのコントロールがうまく、広角に打て、ブロックアウトを取れる。サーブが正確でサーブレシーブの技術も高く、すべてが高いレベルにある。

 

 その臼杵と対極なのが国東だ。選手一人一人の身体能力が高い。独自の練習方法で個の滞在能力を引き上げた。技術は粗削りだが、それを補って余る体力とパワーがある。前述の3チームに比べ3年生がコーチに立つ人数も時間も多い。一夏を越えて、3年生は完全に一皮むけ、力強いプレーでチームを引っ張っている。1、2年生も右肩上がりに成長を遂げ、優勝戦線をかき回す力はある。

 

(柚野真也)