バサジィ大分 つかんだ初勝利 走って守って決めた 【大分県】
フットサル
バサジィ・フットサル 守備意識高く、2巡目も好調を維持
リーグ戦2巡目に入っても好調だ。バサジィ大分は13節のエスポラーダ北海道に5-2で勝利し、暫定ながら首位に浮上した。開幕戦でエース・仁部屋和弘の2得点などで勝利すると勢いに乗った。3節では昨季無敗優勝した名古屋に5-2で快勝し、6連勝。伊藤雅範監督は「リーグ戦は長い。気を緩めることなく、勝つために最善の策を練りたい」と話し、勝って兜の緒を締めた。序盤戦はゴールを量産する攻撃力に目が向けられたが、「守備を構築すること」(伊藤監督)がテーマだった。
後方からの的確なコーチングと相手の決定機を抜群のセービングで阻止する日本代表GK矢沢大夢を中心に、堅守から試合の流れをつかみ、勝ち点を重ねた。しかし、今季唯一の黒星を喫した9節・バルドラール浦安戦で矢沢が左膝前十字靱帯を断裂し、今季の復帰が絶望的となる。矢沢は「最少失点を続けたい」と自信を深め、日本代表候補合宿に召集された矢先のアクシデントだった。替えの効かない選手だっただけに、チームは窮地に追い込まれたが、伊藤監督は「今いるメンバーで最善の戦い方をする」と気丈に振る舞い、選手の力を引き出すことに専念した。
矢沢大夢の穴を埋める岩永汰紀
矢沢の穴を埋めるべくGK岩永汰紀が期待に応え、守護神を失ったことで他のフィールドプレーヤーの守備の意識がこれまで以上に高まった。2度目の対戦を終えた北海道の小野寺隆彦監督は「外国人選手の力強さは強烈だが、それ以外の汗かき役の選手の攻守の切り替えの早さや運動量が多い」と大分の変化を口にした。また、アグレッシブな守備を持ち味とする吉田圭吾がケガから復帰したことも大きい。勢いのある22歳が活躍すると嫌な流れを断ち切り、その後は負け知らず。吉田は「けがで出遅れ、練習もできず焦りしかなかった。試合に出たら爆発することだけを考えた」と、勝気な性格はチームの起爆剤となった。模倣する仁部屋の教えを吸収し、「守備のときの目線や体の向き、見方をサポートする距離感。細かいところまでアドバイスをもらった」(吉田)ことで隙がなくなった。
13節、吉田が今季初ゴールを決めるとベンチは湧いた。また、下部組織となるサテライトの野口茅斗も及第点の働きを見せた。振り返るとカウンターからの得点、守備意識の徹底、チーム力の底上げなど、次々と課題をクリアしており、弱点が少なくなった。強いて挙げれば、最前線に位置するピヴォのボールの収まりか。相手が対策を練り、ポストプレーを警戒している。しっかりキープできれば攻撃の厚みは増す。9月1日、ホームで勝点差3の3位フウガドールすみだと対戦する。前半戦のヤマ場と位置付ける上位決戦で、その課題まで克服すれば、プレーオフ進出となる3位が確かなものとなりそうだ。
今季初得点で仁部屋和弘から祝福される吉田圭吾
(柚野真也)