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ハンドボール女子 大分高校 悔し涙で終わった3位 全国高校総体2019

ハンドボール女子 大分高校 悔し涙で終わった3位 全国高校総体2019

令和元年度全国高校総体体育大会ハンドボール競技

8月8日 女子 準決勝 山鹿市総合体育館

大分 22-26 白梅学園(東京)

 前半13-15

 後半9-11

 

 試合後の涙が本気で日本一を狙っていたことの表れだった。春の全国選抜大会準優勝チームに準決勝で敗れはしたが、十分に価値のある成績だった。それでも涙があふれた。「日本一を狙っていた」とキャプテンの後藤ほたる(3年)。思いが強かっただけに、負けを受け入れるには時間が必要だった。「春よりは自分たちのプレーができたけど、力が足りなかったのかな」と守護神の広田美月(3年)も涙をこらえきれなかった。

 

 全国選抜大会3回戦のリベンジマッチは、試合序盤から主導権を握った。6㍍ラインに沿って4人が並び、2人が前に出る「4-2」のゾーンディフェンスの対策は十分に機能した。フローターの3人がパスを回し、ポジションチェンジを繰り返すことでスペースを確保し、攻撃の形をつくった。清水愛果(3年)は「春は守備重視の戦い方だったが、今回は攻撃面で上回った」と手応えを感じた。得点源の高橋唯(3年)、後藤がゴールネットを揺らした。

 

厳しい守備に対し、果敢に仕掛けた高橋唯

 

 攻撃時にゴールキーパーをコートプレーヤーに交代させて「7人攻撃」する相手に対しても、運動量でカバーしたが、徐々に相手のパワープレーで消耗し前半戦の終盤に逆転を許した。2点のビハインドを負った後半は3連続得点でリードを広げられ、攻撃においても攻めあぐねる場面が増えた。さらにゲームメーカーの役割を担った清水が負傷退場となり、試合展開は厳しくなった。勝負所で厳しく激しい守備をしたかったが足が止まり、力尽きた。

 

 「ここで勝って日本一に弾みをつけたかったのだが…、終わった気がしない」。試合後の滝元泰昭監督のポツリとこぼれた言葉が本音だ。「やれることはあったが徹底できなかった。本気で日本一を目指していた選手を勝たすことができず申し訳ない」と肩を落とした。選手は「監督やこれまで応援してくれた方々に恩返しができなかった」と試合後の表彰式の最中も涙を流し続けた。記念撮影の時も誰一人笑顔がなかったことも印象的だった。

 

 3年生主体のチームが今大会で解散し、主力は秋の茨城国体に向けて動き出す。悔し涙は、敗者にさらなる飛躍のきっかけを与えてくれる。今週末から始まる国体ブロック予選で大暴れしてくれるはずだ。

 

表彰式でも悔し涙をこらえきれなかった

 

(柚野真也)