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卓球女子 明豊 3年生最後の意地をぶつける

卓球女子 明豊 3年生最後の意地をぶつける

全国高校総体の目標

ベストを尽くす

 

 6月の県高校総体では男子と同じく団体、個人シングルス、同ダブルスと完全制覇を成し遂げた明豊高校女子卓球部。続く全九州高校体育大会は1回戦で敗退。「まだまだ経験値が足りない」と松本香織監督の評価は厳しい。

 

 今春卒業した選手が主力として長く活躍していたため、2、3年生は実戦経験に乏しく、それが追い詰められた場面で“あと1本”が取れない精神的弱さにつながっている。経験値の低さをカバーすべく、様々な面を強化してきたが、まだ大きな成果が出ているとはいえない状況だ。

 

 全国高校総体が直前に迫った今、攻撃力の底上げを目指し実戦型の練習に力を入れている。試合のスコアを想定して“1本”の精度が上がるまで何度も繰り返す。緊張感を持って練習することで少しずつだが、着実に前へ進もうとする気概が伝わってくる。

 

 チームを引っ張るのはキャプテンの渡辺美紗、権藤由希菜の3年生コンビ。一緒に戦ってきた先輩のように結果が出せず、悶々とした日々を過ごしてきた。「3年生2人がどこまで頑張れるかがカギ。今感じている焦りや悔しさをバネに奮起してほしい」と松本監督。その思いにどれだけ応え、意地を見せることができるのか。最後の全国総体に期待がかかる。

 

 3年生をサポートする2年生も必死だ。エースとして活躍する新野奈月が「九州大会では不甲斐ない試合をしてしまった。3年生に申し訳ない気持ちでいっぱい。インターハイ(全国高校総体)で取り戻したい」と話せば、篠田穂乃香も「3年生にとっては最後の大会。しっかりサポートしたい」と力強く言葉を続けた。

 

 3年生の意地と2年生の思いを全国の舞台へぶつけ、ベストを尽くす。

 

全国大会に向けて心が一つになった

 

この夏のキープレーヤー

 

新野奈月(2年)

158cm、明豊中学校出身

 

 2年生ながらエースとして活躍。県高校総体では、団体、個人シングルス、同ダブルスで3冠を達成した。守備に特化したカットマンだが、攻撃力にも定評がある。

 練習には真面目一徹。夏休みに入り朝から晩まで長時間の練習を行った後も自ら居残りを志願し、自主練に打ち込むことが多い。胸にくすぶるのは、一回戦敗退に終わった6月の全九州高校体育大会の苦い思い出。「私がダブルスを取れていれば勝てた。先生の思いに応えることができず、3年生にも本当に申し訳なかった」

 その悔しさを昇華させるための舞台が全国高校総体。団体戦ではベスト16以上という目標を掲げ、「カットマンだからといって相手のミスを誘うだけでは舐められる。積極的な攻撃も仕掛けていきたい」と意欲を見せる。まだ50%の仕上がりだというが、それも自分に厳しいからこそ。「チームの1点を確実に取り、みんなに信頼される存在になりたい」と、強い意志を持って全国大会へ臨む。

 

 

(甲斐理恵)

大会結果