国スポ 期待高まるチーム大分 今年も千点以上目指す 【大分県】
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トリニータ 後半戦の注目選手② 高木駿と鈴木義宜の結束力
大分合同新聞社サンクスデー企画(2)
今節のホーム札幌戦は「大分合同新聞社サンクスデー」。オー!エス!OITA SPORTS企画として、攻守のキープレーヤーを取り上げる。
「片野坂サッカー」において、守備と攻撃は一体だ。現在J1日本人得点王のFW藤本憲明であっても守備を優遇されることはない。相手のボランチをマークすることもあれば、前線からパスコースを限定する守備を強いられる。もちろん守備陣はボールを跳ね返すだけではない。自陣で短いパス交換を織り交ぜて相手を誘い出すと、DFの背後を突く長いパスで好機を作る。
藤本ほどまばゆいスポットを浴びないが、GK高木駿とDF鈴木義宜は好調なチームを支える大黒柱だ。ともに昨季から先発フル出場を続ける鉄人でもある。大分トリニータに加入して3年目の高木は、昨季手にした自信が今季の活躍につながっている。「GKもフィールド選手の一人。攻撃の組み立てに関われている」と話すように、足元の技術の高さを生かし、相手を食いつかせつつパスを散らす。本業のシュートストップも最後の砦となり、毎試合相手の決定機を阻止する。高木がいなければ失点していたというシーンを今季は何度も見せた。
幾度となく神セーブで危機を救う高木駿
2015年から4年間、チーム1の試合出場記録を続ける鈴木は、けがも少なければ、累積による出場停止も少ない。屈強なFWと激しくマッチアップするが、クレバーなプレーで仕事をさせない。今季はキャプテンとなり、監督や選手からの信頼はより厚くなった。「何も変わることはない」と多くを語らず、立場が変わってもJ1に上がっても、自分の役割を淡々とこなす。もちろん伸び悩むチームメートがいれば声を掛けるし、味方のミスを体を張ってカバーする。いつも冷静な鈴木だが、17節の浦和戦で感情を爆発させたシーンがあった。追加点を奪った2点目、空いたスペースに抜けたMF小林成豪にパスを通し、ゴールが決まった瞬間に大きなガッツポーズを見せた。「そんなことした? いいパスだったけど」と照れたが、自画自賛のパスに酔いしれ、「得点したい」と15年から続く得点記録の更新を狙っている。
高木は「ノリ(鈴木)が最終ラインを統率してくれるから自分のプレーに集中できる」と話し、鈴木は「昨年から一緒にプレーしているので何も言わなくてもわかる」と連携の高さを誇る。この2人を中心に今季の大分には守る者たちの結束がある。体を張ったゴール前のぶつかり合い。届かないと知りながらも飛び込んでいくサイドのスライディングタックル。失点後の叱咤激励も、きっとその絆を深めるだろう。相手の攻撃に耐えながら、時間をかけて築いたものは、簡単に崩れない。後半戦は苦戦必須、耐え抜く試合が多くなるだろう。しかし、高木と鈴木を中心に無失点に抑えれば負けることはない。今節は攻撃力の高い札幌を零封してくれるはずだ!
闘将・鈴木義宜がチームを引っ張る
(柚野真也)