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7/1 TUE 2025

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その他

ヴェルスパ 2つのスタイルを使い分け、勝点を積み重ねる

ヴェルスパ 2つのスタイルを使い分け、勝点を積み重ねる

後半戦に向け3つのテーマ

 

戦い方を使い分ける

試合を支配して押し切る

リズムのある時間帯で確実に点を奪う

 

 JFLで戦うヴェルスパ大分はリーグ戦13試合を終え、4勝4分5敗。勝点16で9位と中位にいる。勝ちきれない試合が続き、足踏みしている状況だ。

 要因は、各チームが大分のショートパスを主体とするサッカーに対して、ロングボールで対抗してきたことが挙げられる。「どこもウチのサッカーを研究している」(須藤茂光監督)というように、自分たちのリズムで試合を組み立てられず、結果的に無理な押し上げからカウンターを食らって失点するケースが目立っていた。

 

 この状況を受けてチームは12節から戦い方を変えた。相手と同じようにロングボール主体のスタイルに変更した。須藤監督は「Aプランだけでは長いシーズンを戦い抜けない。質は低いが、やり方ははっきりしている。動き出しのタイミングがつかみやすく、前を向いてプレーできるBプランも必要」と戦い方に幅を持たせた。

 

空中戦を主体とする戦い方が増えた

 

 最終ラインは4枚から3枚となり、1対1に強く、高さのある選手を並べた。ボランチにはFWから転向した身体能力の高い鍔田有馬を配置し、相手のロングボールを跳ね返す。連係面は課題であるが、屈強な守備陣はやすやすとカウンターを食らう場面は少なくなった。

 

 課題とされたゴール前での勝負強さに関して言えば、泥臭く前線で体を張り、起点となれるFW中村真人の存在は大きい。空中戦に強く、ボールを収めることもでき、周囲との良好な関係は今後の得点力アップを予感させるもの。これから夏場に入り、消耗戦が続く。シンプルで明確な戦術は昨季にはないもの。中村は「この戦い方ができれば、対戦相手や戦況によってパスをつなぐ戦い方と使い分けができる」と手応えを口にする。

 

 精密な組み立てで相手を切り崩すのもいいが、前へドカンと蹴るだけの大味な攻め手でも十分に強力だ。屈強で手だれがそろう守備陣の防波堤は失点の歯止めとなる。間もなくリーグ戦は折り返しを迎える。後半戦は内容的に支配した試合をどう勝ちに結びつけていくかがテーマとなる。前半戦のように点が取れずじれて危うさを見せては、上位進出は難しい。最後まで押し切る力強さが必要だ。

後半戦の巻き返しを図るヴェルスパイレブン

 

(柚野真也)