
【指導者の肖像〜高校スポーツを支える魂〜】 信じる力が未来を変えていく 柳ケ浦高校バスケットボール部監督・中村誠(前編)
バスケ
バスケットボールの県高校総体は5月26日から始まる。大会まで1カ月を切り、各校最後の仕上げに余念がない。前哨戦となった南九州四県対抗バスケ選手権大会県予選では、男子は昨年の県総体で優勝した大分舞鶴が準々決勝で敗退する波乱があり、上位チームの実力が拮抗していることを印象付けた。女子は中津北が圧倒的な強さを見せつけ、昨年逃した全国高校総体出場への強い思いを示した。
今回は県総体直前企画として“注目選手”にスポットを当て、気になるライバルを聞いた。
原田倖輔(大分雄城台3年)
スモールフォワード、178cm、64kg、戸次中学校出身
昨年の夏から不調が続いた。それまで主力を担っていたが、メンバーから外される。苦しい時期を「自分を見つめ直す時間」と捉え、練習後に毎日4㌔“雄城の坂”を走った。足腰が鍛えられ、体力も向上。「後半になってもシュートの精度が落ちなくなった」と実感する。得意の1対1もボールを受ける位置から再構築し、得点力に磨きをかけた。今では1試合平均25点以上を叩き出すスコアラーとなった。
悩み、苦しんだことが成長の糧となった。藤原和之監督は「高いレベルでプレーできるようになった」と定位置を与え、攻撃の核に据える。原田は県総体の場を完全復活の場と考えている。「チームをベスト4に導き、大会得点王を狙う」
気になるライバルは?
上山隼人(大分舞鶴3年)
2月の大会(全九州春季選手権大会県予選)でマッチアップして完全に抑えられた。あのときの悔しさを晴らしたい。南九州四県対抗バスケ選手権大会県予選では対戦できなかったので、県総体ではバチバチ勝負したい。1対1で勝って、チームでも勝つ!
梅木涼貴(日田3年)
スモールフォワード、177cm、65kg、五馬中学校出身
普段は穏やかで超天然な性格だというが、試合になるとその表情は一変する。1対1の場面でドライブからのシュートを得意とするチームの中心的存在は、視野が広く、味方の動きに合わせたパスが得点につながる場面も多い。
「ここぞという場面で1本決めて、チームの雰囲気を盛り上げられる存在でありたい」と、キャプテンとしても強い責任感を持っている。三ツ広荘規監督は「チームのリードマンであり、ポイントゲッター」と称賛。フィジカルの強さはチーム1で、相手ディフェンスをねじ込む力を持つ。その力強いプレーでチームを鼓舞し、流れを一気に引き寄せる。ベスト4の常連校でありながら、高さの壁に苦しんできたが、どんな相手に対してもチームの目標である“走り勝つ”ことを目指し、さらなる体力強化に向けて努力を重ねることを誓う。
気になるライバルは?
加藤大智、池田優、上山隼人(共に大分舞鶴3年)
他校の同じポジションの選手は全員ライバルだと思っている。その中でも昨年一緒に国体メンバーに選ばれた大分舞鶴の3人は気になる。チームメートとして一緒に戦って、改めて3人の技術の高さを感じたし、負けたくないという気持ちが強くなった。彼らを越えられるように、もっと練習を重ねて技術を上げたい。
ザリメンヤ カトウ フセイン(別府溝部学園2年)
センター、205cm、95kg、カンパラ・セカンダリースクール出身(ウガンダ共和国)
205cmの長身、それこそが武器だ。打点の高いシュートやリバウンドからのロングスロー、時には豪快なダンクシュートで決めるなど迫力あるプレーを見せる。昨冬にウインターカップに出場し、追われる立場になった今、フセインの高さにどう太刀打ちするか、対戦相手のマークは厳しくなるばかり。
南九州四県対抗バスケ選手権大会県予選では、外からのシュートを積極的に打つなど、プレースタイルの幅が広がっていることを見せつけた。「インサイドプレーは絶対に外せない」と強い体づくりにも励んでいる。これまで相手の徹底マークにいらだちを見せることもあったが、チームメイトが声を掛け、落ち着いてプレーに集中できるようになった。ディフェンスファウルの多さや最後まで戦う集中力を身につけることを課題としていたが「今大会はディフェンスも頑張れたと思う」と振り返った。
気になるライバルは?
自分自身
同じポジションの選手や高さのある選手は意識するけど、一番のライバルは自分自身。集中力、ディフェンス、インサイドプレーなど、まだまだ努力しなければならないことは多い。目標はウインターカップベスト8以上なので、その目標を達成するために辛い練習もチームメートと一緒に乗り越えて、どの試合も全力で戦っていきたい。
(黒木ゆか)
松本克己(柳ケ浦3年)
パワーフォワード、178cm、90kg、今元中学校出身(福岡県)
当たり負けしないパワーが魅力のインサイドプレーヤー。リングから近いところが仕事場となる。スクリーンプレーやリバウンドなどコンタクトプレーをいとわず、泥臭いプレーでチームを支える貴重な存在だ。
1年時に全国高校バスケットボール選手権大会(ウインターカップ)に出場した。「華やかな舞台だった。少しだけ試合に出たが、緊張して何もできなかった」と当時を振り返る。最終学年となり全国大会への思いが強くなった。「調子は上がっている。勢いに乗り、爆発できる予感はある。留学生が入ってインサイドが強化されたので、自分はオフェンスでもディフェンスでも体を張って、チームを引っ張る」と断固たる決意を口にする。県総体までの残り期間、どこよりも追い込み、最高の状態で挑むつもりだ。
気になるライバルは?
ザリメンヤ カトウ フセイン(別府溝部学園2年)
県新人大会で負けた相手。ウチも留学生が入り、インサイドが強化された。それでもフセインの高さには敵わないけど、パワーでは負けない。自分の武器である力勝負に持ち込んで、抑えたい。アイツの得点、2次攻撃をどれだけ防ぐかが勝つためのポイントになる。全力でぶつかりたい!
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